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2016年06月29日20:31

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ディビッド・バルダッチLast Mileは最高!

ディビッド・バルダッチの新作The Last Mileを読んだ。
昨年のMemory Manでデビューした「PIエイモス・デッカー」のシリーズ2作目である。
実に面白い!
NYTで全作がベストセラーの人気シリーズを6つ(大半がNYT1位)も持っているのだ。」
リー・チャイルド、マイクル・コナリーよりも、アメリカは当然、世界中の80か国で売れてるベストセラー作家なのに日本では、ほとんど翻訳されていないのだ。
ミステリー大国と言ってもいかに日本が大したことがないかよくわかる。(ジェームス・パタースンもそうだ)
Last Mileとは処刑室(電気椅子のある部屋)までのわずか30フィートの廊下を、「死刑囚たちはそう言う」のだ。

元刑事で、6フィート5インチ」130キロの巨漢の私立探偵だ、しかも「写真のように正確な記憶(だからメモリーマンと言われている)」力を持つ。それはフットボールの試合中の頭部の怪我でたまたま身についたものなのだ。

その彼が、またある政府機関から、私立探偵のデッカーに殺人事件の調査を依頼されるのだ。
Memory Man の事件での彼の捜査能力を見たFBIからだ。

20年前に白人の父親と黒人の母親の両親を殺害した死刑囚メルビン・マーズの処刑の日が近づいていたのだ。
そこへ処刑の決まった」別の刑務所の死刑囚が「マーズの両親をショットガンで射殺したと告白したのだ。

両親は自宅の2階のベッドルームで、両親ともショットガンで顔面を撃たれていたのだ。
自宅の火事が発生して通報があり、駆けつけた消防隊員によって発見されたのだ。

当時20歳だったメルビンはモーテルで寝ているところを警官に発見され逮捕されたのだ。
彼はガールフレンドと別れ、家に帰る途中車が故障し、モーテルに止まっていたので、両親が殺されたことも、自宅が放火せれたことも、知らなかったのだ。
しかも、ショットガンはメルビンのもので指紋もついていた。しかも、彼の車に母親の血痕が見つかったのだ。
メルビンは当時プロフットボールのドラフト1位に指名され、数億円の契約を手にするはずだったのだ。なぜ彼が殺す必要があったのか?自宅を放火する必要があったのか?

また彼が歩いてでも家に帰れる距離でモーテルに泊まり、クレジットカードを使用したのか?
20年も前に20歳の若者がカードで支払ったのか?まだ、即時決済もない時代の話だ。
しかも、彼は白人ではなく黒い母親の肌の色だから、黒人とみられて当時のテキサスでは、ろくに捜査もせず犯人と決めつけられていたようだ。
最初はどうせ再審請求しても無理だと考えたメルビンだが、デッカーが元フットボーラ―で、20年以上前の高校時代に州の決勝戦で敵味方に分かれ戦った仲間と知って、心を開くのだ。

しかし、殺人を告白した死刑囚は元ベトナム帰りのベテランだが、頭に傷を持ち、ドラッグ中毒で金がほしくて殺したというのだ。それにしては、マーズ夫婦を射殺しても金を奪わずに逃亡したのはどうしてなのか?
しかし、彼は自白しても死刑執行が決まり、白状しても、死刑執行が延期されることはなかったのだ。本当に告白者が殺したのだろうか?何故、告白したのか?

それにメルビンの母親は「脳の癌」で余命いくばくもないということも分かったのだ。
そして、白状した死刑囚はデッカー、マーズ、FBI捜査官たちに見守られ、電気椅子に運ばれ、処刑された。
その死刑囚の妻を訪ねたデッカーは、小さな家で、貧乏なはずなのに、エルメス、カルティエ、などのバッグ、時計などを所有していた。どうして彼女はそんな高級品を持ち、息子の大学入学資金まで持っているのだ。

さあ、ここからは何も言いますまい!
おそらく予想もしない結末、殺害犯に驚いたなあ、、。
とにかくスピーディで展開も素晴らしいのだ。
文章も会話も実にベストセラー作家らしいのだ。
流石、機会があれば、ぜひお読みください、お薦め!
Memory Man(15年6月10日日記)もぜひ!

バルダッチ(デビド・ボウダチと英語で発音すると通じる)には「ウイル・ロビー」「ジョン・プラー(パラーと発音)」「キング&マキシム」「ショウ」シリーズにそれにあの「カメルクラブ」ものなどは最高に面白いのだ。30冊は翻訳されてない。版権料が高くて手が出なくなったんだろうな!

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