ニコラウス・アーノンクール、ジョージ・マーティン、
そしてキース・エマーソンと、
クラシックやロックのミュージシャンが相次いで死去した。
アーノンクールは後で日記に書くとして
ここではあとの2人について書くことにする。
ビートルズの「In my life」のピアノソロを
ジョージ・マーティンは指定されたテンポで弾くことが
できなかった。
そのため、テンポを落とし、キーを下げ、録音してから
テープを早回しして、編集することになった。
その、「In my life」を聴いてみると、
ピアノの音が、なんかグレン・グールドにそっくりだ。
ということは、グレン・グールドの録音は
テープの早回しなのか・・・????
グールドの録音の中で、テープの早回しの可能性が
きわめて高いものが2つある。
バッハ「3声のシンフォニア第15番ロ短調」とモーツァルトの
ピアノソナタ第8番イ短調K.310。
絶対こんなテンポでは弾けない。
ランランでもユジャワンでも無理だ。
後者など、早回しでなく、MIDI(打ち込み)かもしれない。
トリルや装飾音が8分音符、16分音符など、きっちりしすぎている。
グールドが演奏会をやめた原因のひとつに
「テープの早回しをやっちゃった」説があるのかもしれない。
キース・エマーソンの死は、自殺の可能性が高いという。
本当だとしたら残念なことだ。
エマーソンといえば、いうまでもなくEL&Pである
(エマーソン・レイク・アンド・パーマー)。
「展覧会の絵」「タルカス」「聖地エルサレム」・・・。
若い頃は本当によく彼らの音楽を聴いたものだ。
その中で、いまでももっとも愛着が深いのは「聖地エルサレム」だ。
サー・ヒューバート・パリー(1848〜1918)の「エルサレム」は
ウィリアム・ブレイクの詩に曲をつけたもので
「祖国イングランドの地に、エルサレムを打ち立てよう」という内容の
愛国的要素の強い曲である。
プロムスでは、英国国歌や威風堂々とともに、毎回必ず歌われる。
クラシック音楽ファンにとっては、お馴染みの曲である。
その曲をEL&Pがカヴァーしているのが「聖地エルサレム」だが、
これは最高の出来栄えである。
オリジナルは3拍子だが、EL&P版は4拍子に変更されている。
シンセサイザーによるアレンジとともに、非常に効果的だと思う。
そして、グレッグ・レイクのヴォーカルが非常に美しい。
これは単なるアレンジではなく、
すばらしい再創造といっていいのではないだろうか?
原曲
https://www.youtube.com/watch?v=MKRHWT6xdEU&ebc=ANyPxKrrePpi1uAJkvy9EDCtWV94resIwDU3VVleyQASeCnw3XLyEhUIfxxsYzMBBOk4-s_wiUHcbGC2MP9qfpl_0uh9-SISJg
ぜんぜん違うイメージを生み出していることがわかる。
ジョージ・マーティン、キース・エマーソンに対しては
すばらしい音楽を遺したことに敬意を表したい。
ログインしてコメントを確認・投稿する