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2016年03月13日01:04

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「くれない坂の猫」脚本家の長田さんと

写真は順に
*NODA MAP第20回公演「逆鱗」チラシ
*てがみ座第12回公演「対岸の永遠」チラシ
*てがみ座主宰の長田育恵さん&劇団員の福田温子さんと私

稽古の合間を縫って観劇2本。

逆鱗は水族館から始まる。
敵の目くらましのための鰯の逆鱗が水中に漂って美しい。
水族館は実は深海につながっていて、そこに棲む人魚が水中に取り残されたままのかつての日本兵の記憶を語るのだった。
終戦直前に実際に使われた人間魚雷「回天」、日本軍、いや戦争批判の強烈なメッセージを受け取った。
戦争の残酷さと回天に乗ったまま水底に沈んでいる亡骸・瑛太の無垢な美しさが哀しみを際立たせていた。
こんなにはっきりとメッセージ性を感じたのは、私は初めてかもしれない。
舞台の前半では阿部サダヲさんや池田成志さんの表現力に脱帽&抱腹絶倒、ここだけ観てたら完全にコメディだ。
松たか子さん、井上真央ちゃんにも魅了された。

対岸の永遠はサンクトペテルブルクのとあるアパートの一室から始まる。
祖国を追放されたユダヤ人詩人のアンドレイ・ミンツと、国に残された家族の物語を通して、旧ソ連ばかりか現在のロシアの政治体制を鋭く批判する。
アメリカに渡ったのちノーベル文学賞を受賞し、ついに祖国の地を踏むことなく生涯を終えたヨシフ・ブロツキーを、評伝としてではなく「詩人と祖国」という枠組みだけを借りて描かれた作品(パンフレットの長田育恵さんの文章から引用)。

世界各地で今もある戦争や少数民族への圧政、紛争を考えさせられる観劇となった。

「対岸の永遠」終演後にシアター風姿花伝のロビーで、脚本家の長田育恵さんと、見事に「オリガ」を演じた福田温子さんとともに写真を撮らせていただいた。

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