mixiユーザー(id:280973)

2016年02月21日11:40

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『スティーブ・ジョブズ』


 もう一つの方(評判が極めてよくないの)は観てない。アシュトン・カッチャーのほうが今回のマイケル・ファスベンダーよりもずっと似ているけど。対象者が亡くなってあまり時間が経っておらず登場人物の殆どが存命というか現役であるのに、再現ドラマ的なレベルではなく、本格的な評伝が作られるという点でもアメリカが本当に羨ましい。モデル問題も地獄の沙汰も全部カネ次第ということなのだろうが。

 主人公にとって企業家人生のエポックとなった3つの製品発表会の寸前数十分前(1984年、1988年、1998年)を切り取り、そこに彼の人となりと彼に関わってしまった同僚、友人、そして娘との関係性を集約し、曲がりなりにも彼なりに人間として成長していく様を、世の中の変化と重ね合わせて描いていく。奇を衒わない程度に撮影、編集、効果を駆使し(その辺がいかにもダニー・ボイル)、ジョブズという不可解な人物に多角的に迫っている。夏目漱石がそうだったように、養子コンプレックスゆえ、他人との、そして家族との接し方が分からない主人公が藻掻き藻掻きそれでも娘と向かい合おうとする結末は感動的である。(脚本はアーロン・ソーキン)



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