前回の日記で、
「ブーレーズのパルジファルが聴きたい」
と書いたら、その直後に
ブーレーズが90歳で亡くなったことをニュースで知った。
そこで、ブーレーズの作曲、指揮の録音から
一つずつ選んで聴くことにした。
指揮はもちろん「パルジファル」である。
ブーレーズ マラルメによる即興 ��-��
ブーレーズ指揮RAIローマ管弦楽団ほか
1959年録音（CD、伊stradivarius）
「ル・マルトー」と同様のトータル・セリエルのようだが
「ル・マルトー」のようなカッチリした造形でなく
もっと自由で幻想的。
ウッドブロック、ドラ、木琴、ビブラフォン
ハープ、スネアドラムなど。
やはりフランス人らしく、音色の繊細な感覚が出色である。
2曲しかないのが勿体無い。すばらしい作品だ。
演奏もすごい。ライヴとは思えないくらい。
ワーグナー：『パルジファル』全曲
ブーレーズ（指揮）バイロイト祝祭管弦楽団
ジェイムズ・キング、ギネス・ジョーンズほか
普通は4枚組のパルジファルが3枚組なので
予想できたことだが
速めのテンポで見通しの良い演奏。
適度の緊張感が聴きてを飽きさせることなく
最後まで聴き通すことができた。
パルジファルは難解な音楽だと思うが、
それを退屈せずに聴かせるのは
ブーレーズの能力の高さだろう。
クナッパーツブッシュとは全く違う演奏であることも
この演奏の価値を高めているように思える。
たった2つの音源であるが、それらを聴いて言えることは
作曲にしても、指揮にしても、
真の天才は圧倒的だ、ということである。
90歳まで生きたのだから、惜しまれる死ではないものの
彼の死は、クラシック音楽と現代音楽の、終わりの象徴のような
ものなのかもしれない。
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