ローレンス・ブロックの新作である。(シリーズものではない)
この作品は100頁ほどに編集すれば、絶対のお薦めである。
フロリダの田舎のシェリフから、私立探偵ミラーに依頼があった。
「殺し屋」になって潜入捜査してほしいというものだった。
25年近く勤めたNYPDを辞めてフロリダに来で、私立探偵になったばかりだった。
この辺りではあまり顔を知られていないし、独り者だったから依頼があったのだ。
自動車ディーラーの夫を殺してほしいという女性がいるとタレこみがあった。女性の夫は浮気者で若い彼女がいるというのだ。依頼人は前妻が不審死しており、二人目の妻だった。
女性がホステスをしているバーに来た前科者の牧師に、夫殺しを依頼してきたのだ。
それを聞いたシェリフは、地方検事と協力し、おとり捜査することにした。それでミラーが「殺し屋」として接触することになったのだ。
ミラーは打ち合わせ通り、服の下に隠しマイクをしこみ、ミラーの車の中で女性と会った。
シェリフと検事が盗聴録音していると、女性は意外なことを言ったのだ。
「夫殺し」は酒を飲んで気が動転していて牧師に言ったけれど、本気ではなかったと。
これを聞いたシェリフは捜査の中止をミラーに告げたのだ。
しかし、事実は全く違ったのだ。
ミラーが彼女が車に乗り込むや、唇に手を当て、マイクが仕掛けられていることを示し、ミラーが準備したセリフを彼女に言わせたのだ。
そして後で彼女と会い打ち合わせをすることしたのだった。
はたして、どう彼女の夫を殺すのか、若い恋人はどうするのか、ミラーは、夫殺しを依頼した女はどうなるのか。
その後の展開は面白い、しかしなあ、、、。
Hard Case Crimeのハードカバーのため、やたら、エロティックシーンが多すぎるのだ。
品のない会話もうんざりなのだ。筋に関係のあるものはイイが、そうでないのは不要だ。
(汚い言葉をならべた後、「Pardon my French」(汚い言葉でごめんなさい)フランス語だって、これは笑えるけど)
プロットはいいので途中までは「往年の筆力」でと思ったが、余計な記述が多いのだ。
それらを省けば、すごく面白いのに。誰かれなく「口説きまわる私立探偵ミラーにはうんざり。
ブロックのサインは「全盛期と同じ、しっかりした筆圧でサインされてる」。
やはり、大手出版社は、このままでは売れないから出さないなあ!
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