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2015年10月09日14:29

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チェリノブイリから福島へ

昨日発表されたノーベル文学賞の受賞者、スベトラーナ・アレクシエービッチさんが、福一事故の直後、四月に東京外語大の沼野教授の依頼で寄せたメッセージ「チェリノブイリから福島へ」の要訳を今朝の東京新聞で見つけましたので転載させて頂きます。
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新しいコミュニケーション手段のお蔭で、わたしたちは日本で起きている惨事をリアルタイムで目撃することとなった。原子力絡みの恐怖によって世界の人々は互いに身近に感じるようになっている。これは日本だけの悲劇なのか?
それとも人類全体の?

今再び原子力について学ぶ時がきた。一つの原子炉でなく、日本の事故は四基の原子炉で起きている。福島という名はチェリノブイリと同じく世界中が知っている。広島、長崎と並んで知られるようになった。

原子力は軍事用も平和利用も同じこと。同じく人間を殺してしまう。世界第三位の経済力を持つ国が平和利用の原子力を前になすすべを知らない。

進歩という名のあとに残ったのは進歩の残骸ばかり。進歩という蜃気楼の墓場だ。原子炉の安全装置は最高レベルと言われながら、大地震の前には取るに足らない子供服のように役立たなかった。

広島、長崎の後、チェリノブイリ事故後、人間の文明は別の発展の道、非核の道を選択すべきだったのではないだろうか?

原子力時代を脱却すべきだ。わたしがチェリノブイリで目にしたような姿に世界がなってしまわないために、他の道を探すべきだ。
誰もいなくなった土地、立ち並ぶ空き家、畑は野生の森に戻り、人が住むべき家には野生の動物たちが住んでいた。電気の通っていない電線が何百と放置され、何百キロもの道はどこにも行き着かない。

テレビをつけると日本からのレポート。福島ではまた新たな問題が起きている。
わたしは過去についての本を書いたのに、それが未来のことだったとは!

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