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2015年10月07日23:58

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映画日誌「ベルファスト71」

 1971年、カトリック系住民とプロテスタント系住民の対立抗争が激化するイギリス領北アイルランドのベルファスト。
 鎮圧のために派遣されたイギリス軍が、暴動があまりに激化するので兵力が足りず、やむを得ず撤退しようとするが、入隊したばかりの若い兵士が一人射殺され、一人は前線地帯に一人で取り残されてしまう。
 懸命に脱出しようとする中、闘争心を燃やすプロテスタント系の子どもや、何とか過激派の動きを抑制しようとする穏健派、普段は普通の大学生なのに何故かイギリス人に敵対心を抱く若者などが、まるで堂々巡りのように抗争を繰り返す。
 中盤で、突然文字通りの衝撃を与える爆発も、目には目を、という気持ちが生んだ自爆行為であり、結局、何が、誰が正しいのか、なぜこんな対立が生まれるのかは、観る者にもわからないし、ドラマの中でも誰もわからないのか。
 宗教は関係なく、負傷しているのを見捨てておけず、自宅に運び込んで手当てする人もいるわけで、少しは救われたような気持ちにもなるが、一貫してトーンの暗い描写が続く中、やはり、やるせなさだけが残ってしまう。
 日本人には、宗教的な対立は、なかなか理解しにくいものだが、元々の人間の中にある敵対心、闘争心というものも、奥深いところで関係しているのか?
 救いどころのないやるせなさに浸るだけでなく、この映画を観て、結局は、無意味な殺し合いは無意味な報復を生むだけ、ということを知るべきか。
★65点
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