mixiユーザー(id:6859258)

2015年09月19日18:02

191 view

第40回湯布院映画祭レポート(18) 「滝を見にいく」 シンポ

 
■29日(土)■ ≪ 「滝を見にいく」 シンポジウム 16:25〜17:25 ≫

ほぼ満席です。
左側に座る司会者から 「特集のラスト、6人目の監督です」 と紹介された沖田修一監督がゲスト。
まず、本作のなりたちから話していただきます。

プロデューサーからワークショップの形で1本作りませんかと言われ、おばちゃん役の7人を選出するのですが、3日間ぐらい朝から晩まで、全部で40人ぐらいのおばちゃんの話を聞いていったのがオーディションだったのだそう。
選ばれたのは、演技経験者と、全くの素人と、半々ぐらい。
年齢は、40歳ぐらいから79歳(!)まで、という幅広さ。
撮影は11日間ぐらいで、「最高齢の方を気遣いながらも、山道を全力疾走させたりしました(笑)」

早速、客席からの発言を募ります。
監督 「ここに、試写会の時に配った特製のパンフレットを4部持って来てまして、発言してくれた方に差し上げようと思います」
客席が、軽くざわつきます。
司会 「先着順か、監督があげてもいいと思われた方に」

とぼけた遣り取りで毎年一度は会場内を爆笑させる事の多い福岡のHさんが挙手、「おばちゃん7人のバスツアーですが、その人数だと少なすぎて中止になっちゃうんじゃないですかね」
監督は、「催行されることもある、と確認済みです」
Hさん 「ちゃんと確認されてるならイイです。 パンフが欲しくて無理やり質問しました」(笑)
見事にゲット。
するとHさん、「じゃあ、ちょっと文句を」(爆笑)
のっけから監督もやられてしまったのでは。 テーブルに突っ伏して身をくねらせてましたから。

で、文句というのは、「ようやく辿り着いた滝が、ちょっとショボかったのが残念でした」
監督は、「敢えて、そうしました。 大きな滝は、途中で道に迷ったりしないようにちゃんと大きな看板が出されてるので」

蛇を手で持つシーンがあり、そのおばちゃん最初は 「絶対、嫌」 と拒否していたのですが、周りのみんなから 「蛇ぐらい持て!」(笑) と言われたらしく、本当に持ったとの事。
この話題が意外なほど盛り上がって。
遂には、どういう持ち方が良いのかまで発表し合うほど。

監督はタイトルの表記にもこだわりがあり、「見に行く」 ではなく 「見にいく」 としています。
力の抜け加減や、監督自身のイメージで、「いく」 にしたが、色んな所で 「行く」 と間違えられているのだそう。

窓外は、雨――。

同じ七人ということで、おばちゃんたちを 「七人の侍」 に置き換えて観たという人も(笑)。
道に迷ったおばちゃんたちは野宿することになり、木の葉を体にかけて寝るのですが、「最後の七人目は誰がかけたんですかね?」(笑)
との質問というか指摘があった時には、監督は苦笑しながら、上手くごまかしたのでした。

みんなで歌うのが、「恋の奴隷」(奥村チヨ/1969年) なのがセンスの良さを感じたという発言も。
有名なフレーズは、” あなた好みの あなた好みの 女になりたい ”。
監督 「誰も、あなた好みの女になんて、なれないんですけどね(笑)」

「お客さんもガイドも帰って来ないのに、バスの運転手は何をしてたんですかね」 という至極もっともな疑問には、
監督 「そちらの動きには興味が持てなかったので、敢えて描きませんでした。 あまり細かい所を突かれると困るので、程々にしてください」(笑)

その心配は、無用。
そろそろ終わりの時間です。

沖田監督の新作は、「モヒカン故郷に帰る」 という作品で、主演は松田龍平くん。 ヒロインは前田敦子で、初の妊婦役に挑むのだとか。(ネットの映画ニュースで既に知っていました)
来夏の湯布院で試写上映され、あっちゃんがゲストで来てくれたら言う事なしなのですが。
調べてみたら、来年春に公開の予定でした。
残念。

私は初日に行われた 『特集の2つのシンポ』 には出ることが出来ませんでしたが、参加できた4つのシンポはどれも楽しく興味深い内容でした。
初日のシンポにも出たかった。

 
0 2

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する