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2015年09月14日17:38

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第40回湯布院映画祭レポート(13) 「バット・オンリー・ラヴ」 シンポ

 
■28日(金)■ ≪ シンポジウム 「バット・オンリー・ラヴ」 20:30〜21:45 ≫

昼間の 「もらとりあむタマ子」 のシンポで、この会場に並べられてある折り畳みのパイプ椅子には、クッションの効いたものと固いものの2種類があるのに気づきました。
これまで何十回もこの場所でのシンポに参加していながら、なんでそんな事が分っていなかったのか・・・・。 よく似た色合いなので、パッと見、同じ椅子と思いがちではあるのですが。
映画を観てから間なしに、こちらでまたホールの座席より固い椅子に1時間〜1時間半ぐらい座るのは、すぐにお尻の痛くなる私にはかなりの苦痛。
それが、クッションの効いた方だと結構我慢できるため、シンポ会場へ入って席を決めるに当っての優先ポイントは、ゲストが良く見えるかどうかより ” クッションの効き具合 ” になったのでした(笑)。
今回は、右サイドの一番前、通路脇の椅子はクッションの効いたものだったので、迷わずそこに。

ゲストの方々の席順は左から、円城ひとみさん、飯島洋一さん、佐野和宏監督、寺脇研プロデューサー、柄本佑くん。 左端が司会席です。

まず、制作の経緯が語られます。
要約すると、映画運動家として活動している寺脇さんが、見たい映画を観るため、ピンク映画の時代から注目していた佐野和宏氏に監督させようとプロジェクトを立ち上げ、この映画を完成させた ―― という事だったかな。
寺脇 「多くの人が協力してくれました。 自主映画のようなものです。 久々に火花の散るシンポになればいいな、と思っています」

劇中、妻の不貞を疑った主人公(佐野)が、悲しみだったり怒りだったりの溢れくる感情を妻の背中に向かって声にならぬ声で叫び続けるシーンがあるのですが、字幕もナレーションもないため、それらの言葉を理解するのはかなりの難事だったのです。
寺脇 「あそこの長ゼリフ、分りました? 監督は、演技力で分らせると言ってましたけど(笑)」

何人もの参加者から様々な意見が出されました。
「無理にセリフを分ろうとする必要はないのでは、と思って観た」
「字幕を入れれば良かったのでは」 という発言に対して監督は、「読んで分るのでなく、目で見て感じてほしい」 と要望。

「ところどころ分る言葉もあったんですけど。 それより何より、あそこのセリフ、長すぎませんか」 と言われた際には、
寺脇 「脚本を公開できればいいのですが。 あの長ゼリフの最初の頃は、妻への感謝を述べてるんですよね」

「たくさんボカシの入った映画を観てきましたが、音声で初めてボカシをかけたのかなと思って観てました(笑)」
「聞こえなくてもストレスは残らなかった。 字幕は入れなくて良いです」

今日はじめて観たという柄本くんも感想や意見を訊かれます。
「観終わったばかりで、まだまとまってませんが、佐野監督のピンク映画を色々観させてもらっていて、今回も変わっていなくて素敵でした。 ストレートな男の悲しみが伝わってきました。 長ゼリフの所は、読唇術と耳で何となく分りました」

「切れ切れにでも分ったら、それで良いのでは」
あのシーンが大好きという女性もおられました、「普通の、声の出る旦那も、わざと声を出さず、ああいう風に思いをぶつけることがありますよね」

制作サイドでは、単語だけの字幕を補助的に出すということも考えているのだそう。
「劇場公開版は、今夜の意見を参考にして作らせてもらいます」

ピンク映画風のサブタイトルをつけるか、という話も出ているとの事。
来年春頃に公開の予定。

映画をちゃんと観られてない割には、なかなか面白いシンポでした。
火花が散ることはありませんでしたが。


 
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