mixiユーザー(id:64170)

2015年08月31日15:50

730 view

グラウンディングと鉄 その6水素の風とからだの力


 最近の分子生物学の領域における発見には、目覚しいものがあり、なかでも人間の生命エネルギーが生み出されてくる仕組みに関する解明には、実に感動的なものがあります。

 風の谷のナウシカに出てくる巨大な風車、、、、風の谷の原動力は、この谷を吹くきれいな風からつくられているのですが、人間の生命エネルギーも、ミクロの世界ではあるけれども、似たような仕組みでつくられていることを知るのは驚きです。

 ただし人間のからだの場合、風車をまわす風はふつうの風ではなく水素の風であるというのがおもしいろところ。人間は、食べ物を食べ、消化吸収してゆくのですが、そうして消化吸収された食べ物はブドウ糖などのかたちとなって各細胞に運ばれ、いくつかのプロセスを経て、細胞内小器官であるミトコンドリアの中に入ります。そしてこのミトコンドリアのなかでクエン酸回路とか電子伝達系と呼ばれる生化学反応を通じて、水素を高濃度に抽出し、その水素を風のように流すことでATP(アデノシン三燐酸)というエネルギー通貨を生み出してゆくのです。

 これまでこうした生化学反応は、燃焼という観点から化学記号的に理解されることが多かったのですが、近年の研究によってわかってきたことは、もっと視覚的で、触感的で、ミステリアスでファンタスティックです。

 ミトコンドリアのなかでは、クエン酸回路や電子伝達系を通して、食べ物の分解物からどんどんと水素を抜き出し、その抜き出した水素をミトコンドリアの2重膜の間に貯蔵凝縮してゆくシステムがあります。そしてその膜間に蓄積された高濃度の水素が、ミトコンドリア内膜にセットされているATP合成酵素を通って、水素濃度の低いミトコンドリアのマトリックス(内部)側に流れ込んでゆくときATPが合成されるのですが、そのときATPを合成するATP合成酵素は、なんとまさしく風車のようにぐるぐる回転しながらエネルギー通貨であるATPを生み出してゆくことがわかってきたのです。(回転方向も決まっています)

 こうして生み出される生命通貨のATPなくしては、一瞬たりともぼくたち人間は存在できません。呼吸、鼓動、代謝などすべての生命の営みは、このATPに依存しているからです。体力と言おうが、気力と言おうが、すべてはATPに依存しています。

 小さな小さな細胞の、そのまた奥にある極微のミトコンドリアの、さらにまた小さな小さな膜の上にならぶ、数え切れぬほどたくさんの、小さな小さな風車たち、、、、、それが今現在も、食べ物から抜き出した水素の風を受けて、くるくる回っていなければ、ぼくがこうして文章を打つことも、みなさんがこの日記を読むこともできない、、、、、、耳を澄ませば、この風車が回る音が聞こえるかも、、、、、

 ちなみにこの小さな風車、ATP合成酵素は、中央に水素が通りぬける穴があり、6枚の花弁をもった花びらのような構造をしています。
 
 さらにさらに、食べ物から抽出され、高濃度に凝縮された水素は、風車の中を通りぬけると、そこには肺呼吸によってミトコンドリアまで届けられていた空気(酸素)が待ち構えていて、働きを終えた水素を抱きとめ、抱擁してくれるのです。この合体によって水が生まれます。こうした水、、、、体内で合成される湧き水のような水のことを代謝水と呼びますが、体内合成される水の量はかなりのものになるので生体内の水の仕組みは飲み水だけからは見えてこないからくりがあるのです。(アミノ酸の合成時にも水が生まれます)

 以上、まとめてみると、次のようになります、、、、、、、

 われわれは食べ物に含まれている水素を抜き出し、それを燃料としてつかう
 抽出された水素は、ミトコンドリア内膜上の風車をまわしてエネルギーをつくる
 働き終えた水素は、呼吸によって取り込まれた酸素に抱きとめられ、水になる


8 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2015年08月>
      1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
3031