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2015年08月31日14:45

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グラウンディングと鉄 その5 ミトコンドリアの謎

 実は、このミトコンドリア、調べれば調べるほど不思議な生き物だということがわかってきます……「えっ生き物だって?」……そう、どうやらそのようです。ミトコンドリアは、細胞の中にある細胞内小器官のひとつではあるのですが、それ自体がひとつの生命体だと言った方がよいほどの特徴をいくつも備えているのです。

 まずひとつ……ミトコンドリアは、核遺伝子情報とは異なるミトコンドリア独自の遺伝子を持っているということ……細胞には遺伝子を内蔵している核があることはよく知られていますが、実は、ミトコンドリアには二重螺旋ではない、輪っかになった独自の遺伝子があります……これはいわば24番目の遺伝子です。

 そして次に、そのミトコンドリア遺伝子は、母方の遺伝系列のみを引くということ……ミトコンドリア・イブと呼ばれる人類の母探しを行うことが可能である背景には、こうしたミトコンドリア特有の母方のみの遺伝子の流れがあるおかげなのです。

 けれどもミトコンドリアがエネルギーを生み出す源であり、しかも母系性のみを引くことを考えると、ファミリー・コンステレーションなどでよく展開される女のラインが目に浮かんできたりします。そして母方の系列に対する肯定的な意識傾向、あるいは逆に否定的な意識傾向が、もしかしたらこのミトコンドリアの活性度をも左右し、ひいては、この世界を生き抜いてゆくためのバイタリティの強度に影響を与えたりもしているのではなかろうかという仮説が生まれてきます(このことは次回の文章で詳しく触れます)。

 もともとミトコンドリアというは、酸素をたくさんエネルギーに換える好気性細菌の一種が別の原核細胞の中に入り込んで共生を始め、そのまま居着いてしまったことから始まったというのが現在の定説のようです。まるで押掛け女房のようなミトコンドリアですが、これはおよそ10億年ほど昔に起こった出来事だと推定されています。今もわたしたちの数十兆の細胞の中で、もとはふたつの別々だったいのち同士が静かに抱き合い、ひとつに溶け合ったまま、生命の織物を織りなし続けていると思うと、実に感慨深いものがあります。

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