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2015年08月12日10:09

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安倍政権もう一つの罪。再稼働。

昨日の川内原発再稼働を受けて、今朝配信された朝日新聞デジタルの記事です。
中央の世論が安保法制問題に気を取られている間隙をぬって安倍政権は原発再稼働作戦の第一歩を踏み出した。しかも再稼働の判断は企業に任せるとうそぶく。
その意味は大きい。世界の趨勢に逆らって独自性を誇示するナショナリズムが、日本にあるとすれば、それは逆効果だ。
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11日に再稼働した九州電力川内原発の前には、全国から反対する市民が集まった。一方、電力大消費地の東京ではかつての脱原発のうねりは消えつつある。事故の記憶は、もう遠のいたのか。福島で避難を続けるかつての原発推進者は、なし崩しでの原発回帰に危機感を募らせる。
 「事故の想定も避難計画も不十分。こんな状態でよくも再稼働できるものだ」

 日本原子力発電元理事の北村俊郎さん(70)は、ため息をついた。今回の再稼働は、東京電力が15・7メートルの津波を試算しながら福島第一原発の対策を怠った態度と重なる。「政権も根拠なく『世界一の規制基準』と説明している。安全神話にすがっている証拠だ」

 国内で初めて原発を動かした原電で人事部長や社長室長を歴任。退職後は業界団体の日本原子力産業協会の参事を務めた。原子力業界の中枢に40年。その体質も問題点も知り尽くす。推進してきたその原発が起こした大事故で、家を追われた15万人の1人になった。

 15年前、福島県富岡町をついのすみかに選んだ。温暖で電源三法交付金で行政サービスが充実しているのが魅力だった。震災翌日に避難した。車に積み込んだのは位牌(いはい)と数枚の衣類。「どのくらい避難するの」と妻に問われ「せいぜい2、3日だよ」と答えた。
 県内の避難所を転々とし、現在は須賀川市の借り上げ住宅に暮らす。帰還困難区域にある自宅に戻れるのか。先月末、一時帰宅すると、雑草だらけの庭の所々に、イノシシが掘り返した穴が開いていた。

 富岡町にある福島第二原発は、県議会や地元市町村が廃炉を求めているが、東電は再稼働の可能性を否定しない。世論調査で反対が多数でも、政権は再稼働を推し進める。「安保法案の進め方と同じ。国民を甘く見ている」

 一方、かつての推進者として、自責の念が消えることはない。事故前、住民説明会で重大事故の可能性を聞かれ、「1万年に1回」と答えていた。「もし明日起きたら」。そう返されると、「あくまで確率論。大丈夫」とごまかした。

 事故後、業界誌などに投稿を続けている。安全を危うくする下請け・孫請けの発注構造を「無責任体質が変わっていない」と指摘。「原発は経済的にも割に合わない」と切り込む。原産協会は震災翌年に辞めた。

 「批判を受け付けない業界の閉鎖性が、福島の事故につながった。内部にいた者として、問題を指摘し続ける。そうすることで私は責任を取るしかない」

 事故からわずか4年余りで国民の関心が薄れていることに焦燥感を抱く。政権も復興や事故の収束より東京五輪に重点を移しているように映る。安倍首相は招致の演説で「状況は制御できている」と言い切り、福島を方便にした。

 「浜は祭りの/ようだけど/海のなかでは/何万の/鰮(いわし)のとむらい/するだろう」。金子みすゞの詩が、東京と福島の対比の風景として頭から離れない。(石川智也)

 ■「命を軽視」「福島を忘れるな」 川内原発前で抗議
 「九電は命を軽んじている」「福島を忘れるな」
 川内原発の正門前には、11日、約200人が集まった。再稼働した午前10時半、抗議の声はひときわ大きくなった。

 周辺では200人以上の警察官や警備員が警戒。緊張感に包まれた。鹿児島県姶良(あいら)市の公務員女性(48)は高校生と中学生の娘と一緒に参加した。「放射能が漏れれば命が脅かされる。私たちの声が無視されるなんて不合理だ」

 埼玉県富士見市の大学生梶原康生さん(20)は、原発事故があった福島、米軍基地問題で揺れる沖縄を訪ね歩き、住民の声を聞いてきた。初めて川内原発を訪れ、「基地問題も原発も根っこは同じ。国家権力の横暴を感じる」。

 海外メディアも注目した。台湾のテレビ局記者、胡慕情さん(32)は「欧米では再生可能エネルギーへの転換が進んでいるのに、日本はその逆を行こうとしている」と話した。

 ■立地自治体「振興のため必要」 大都市デモはかつての熱気欠く
 原発の足元からは、早くも歓迎ムードが漂う。
 川内原発の地元、鹿児島県薩摩川内市内で宿泊施設を経営する40代の男性は「見学客も全国から来る。期待します」。同市の岩切秀雄市長は「安全であれば原発は地域振興のために必要だと思う」と語った。

 全国各地の原発立地自治体でも、再稼働に弾みがつくとの期待の声が続いた。関西電力高浜原発がある福井県高浜町の野瀬豊町長は「原発の一つが現実に動いたことを評価したい」、Jパワー大間原発の建設が進む青森県大間町の金沢満春町長も「うれしく思います」とコメントした。

 一方、脱原発を目指す市民らは、電力消費地の関心が薄れていると危機感を抱く。国会の周辺では11日、反対デモがあったが、参加者は午前中に数十人、夜も数百人。沿道が埋め尽くされた3年前の熱気はない。
 3カ月ぶりに参加した東京都板橋区の主婦(62)は「最近は安保関連法案の反対運動が忙しく、原発まで手が回らない」。同足立区の星野芳久さん(65)は「のど元過ぎれば熱さ忘れる、という無責任さがあるのかも」と話す。

 2012年に都内で原発の是非を問う住民投票実施の署名集めをしたジャーナリストの今井一さん(61)は「巨額の交付金で原発を地方に押しつけ、大都市が電力を消費する構図が変わらない限り、国民の多くは問題を我がこととして考えられない」と指摘する。
 当時は約32万人の署名を集めたが、「今やったら5万人くらいでは」と今井さん。ただ、再稼働反対が多数である状況は以前から変わらない。「その意思を政策に映す回路さえ作れば、脱原発は実現できる」

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