BSジャパンで日曜夜11時に放送している『オン・ザ・ロック!』という番組で
渋谷陽一が「俺の1枚」を聞かれた時に
ケンドリック・ラマー(アメリカの新人ラッパー)の新作を紹介し
「ストーンズやツェッペリンに比べて今の音楽は面白くないと言うオヤジが
一番嫌いだ。私の敵である!」
と言ったらしい。
それについて、いろいろ考えてみた。
「ストーンズやツェッペリンに比べて今の音楽は面白くないと言うオヤジ」
は不愉快ではあるが、敵というほどでもない。
しかし、
「サザンや山下達郎に比べて今の音楽は面白くないと言うオヤジ」
がいるとしたら、そいつはまちがいなく、俺の敵だ。
サザンは、音楽好き以外が聞く音楽だから、ここでは突っ込まない。
(ライヴを見れば分かる。バカ騒ぎする連中。皆同じ動きをするオーディエンス等)
山下達郎は、吉松隆と似ているということに、最近になって気づいた。
精神にまでぜい肉がついた、さびしがり屋のデブ、というイメージ。
彼らの作る音楽も同じ傾向が認められる。
7の和音や、9の和音がやたらと多いのだ。
ドミソ→ソシレ→ドミソ、ですむところを
ドミソシ→ソシレファ→ドソシミ、と、甘ったるく、分厚く、大げさにやる。
こういう音楽は、「暖かい音楽」とは言わない。
「ぬるい音楽」だ。精神にぜい肉がついている。
こんな音楽が、今の音楽よりいいわけがないだろう。
渋谷陽一の発言に戻る。
「ストーンズやツェッペリンに比べて今の音楽は面白くないと言うオヤジが
一番嫌いだ。私の敵である!」
というのは、昔の音楽に満足してしまって
今の音楽のなかから、いいものを探そうとしないオヤジ連中への不満があるのだろう。
昔、ジャズがよくわからなかったとき、通っていたジャズ喫茶のマスターが
「ジャズは、往年の名盤と今のジャズと、両方を聞かなければならない」
と言った。
ジャズはやるほうの能力だけでなく、聞き手の感性をも問う音楽だというわけだ。
感性を鍛える、感性を腐らせない、という意味で
新しい音楽を聴くのは、とても大事なことだと思う。
新しい音楽を聴く労力を惜しまないよう、心がけたいものだ。
ケンドリック・ラマーは、つまらなかった。
渋谷陽一の主張を裏付けるには、程遠いものだ。
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