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2015年07月12日21:10

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リゲティ「アトモスフェール」


暑い。
雨の多かった先週から一転して、猛烈な暑さである。
湿気もすごいので、いかにも体に悪い暑さという気がする。

こんなに暑いと、集中して音楽を聴く気になれない。
そこで、気楽に聴けるものを選ぶ。

リゲティ「アトモスフェール」「ルクス・エテルナ」
エルネスト・ブール指揮 
バーデンバーデン南西ドイツ放送交響楽団ほか

Wergoから出ていたリゲティ作品集より。

どちらも、いわゆる「マイクロポリフォニー」という
技法が駆使されている。

ポリフォニーといっても、対位法ではなく
トーンクラスター(音のかたまり)をベースに
微妙に各パートを対位法的に扱うもので、
音響効果がすべて、という感じだ。

映画で効果的に使われたせいもあって
現代音楽としては、例外的に有名な作品であり、
「アトモスフェール」は、バーンスタインやアバドの録音もある。

「アトモスフェール」のフルスコアは
スコアを指揮台に横に置いて、下から上へ、ページをめくるのである。
数えると、50段くらいになるのだろうか。
とんでもない楽譜だ。

Wikipediaによると、矢代秋雄は
「こういう無駄に段数の多い楽譜」
とミクロポリフォニーの安易な使用には否定的だった、とある。

1961年という作曲年から
ヨーロッパの現代音楽の黄昏、終焉みたいなものを感じる。
西洋芸術音楽の美しい終焉といったところか。
美しいが、心に残るものは何もない。

肯定的に捉える方は、「現代音楽の、新たな時代」と
捉えるのだろうが。

暑くてバテたときは、現代音楽を聴くことにしようか。
持っているだけの死蔵音源がたくさんあるので。

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