なんと対照的なんだろう。
Do you come back? と言われてしまうスライ・ストーンと、
I'm back! と叫ぶジェイムス・ブラウン。
共通点もある。
強く希望を持ったメッセージの込められた歌、
薬物と関わる私生活、結婚と離婚。
けれど、どこか陰のあるスライに対して、
J.B.は生命力が溢れていて逞しい。
容貌もどこか日本のオバチャンぽいし…。
映画はJ.B.の生き様を生い立ちから追う。
前進し続ける姿勢、底にひそむ孤独感、
他者を信頼できない原因を描く。
主役の演技がスゴい。
どうかして声を潰して臨んだのだろう、
声もしゃべり方も、J.B.そのものだ。
完全コピーのライブシーンも圧巻だ。
あてぶりなんじゃないかと、何度もまじまじと見つめ耳をひそめたが、
コピーである。
コピーなんかできるわけの無いほどの大人物であり、
いづれ劣らぬ化物たちの集まったバンドだったが、
それをコピーしてのけるのも大国アメリカの底力なんだろう。
映画の下敷きになっているのは、
「Soul survivor」という、インタビューで構成された
83分のドキュメンタリーのようだ。
https://www.youtube.com/watch?v=MBKz8pDNuto
ジミヘン、スライ、J.B.と伝記的映画が続々できた。次は誰かな。
サム・クックとかオーティス・レディングとかダニー・ハザウェイとか、
若くして世を去っていった大歌手の死の真相を追う、とか、どうだ。
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