[あらすじ] ヘッドホンの修理が済んだ途端、時計を壊してしまった。
秋葉原の迷宮を彷徨うまでもなく、インターネットの世界で
ニキシー管は見付かった。
新しい部品が来る前に、とにかく割れた部品を外さねば。
半田付けしてある箇所を鏝(こて)で熱する。
その時に、銅線を織って帯にした半田吸い取り線をあてがうと、
こぼしたお茶が布巾に浸み込むが如く、
サラサラに溶けた半田が帯に吸い込まれていく。
これはうまくいくとなかなか快感である。
が、そもそもの半田付けがヘタクソで、基板の表側まで半田が
回っていたりすると、なかなかに厄介な作業である。
私はヘタクソなので、厄介だった。
しかも、ニキシー管は足が12本も生えてやがる。
12本の足すべてが緩まないと、部品は外れてくれない。
3本足のトランジスタくらいなら、あっちとそっちとこっちを吸い取って
それでも動かなければ、部品をペンチで引っ張りながら半田を溶かせば、
ヒョイと外れる。
しかし12本足じゃそうもいかない。
結局どうもこうもいかず、割れたニキシー管をバラバラにすることにした。
どうせ割れているのだし、ついでに中身も見てみたい。
つづきますね
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