嘗て「P盤アワー」というラジオ番組があった。始まったのは1957年、随分昔のことだ。あの頃、先行して日本ビクター提供の「S盤アワー」、日本コロムビア提供の「L盤アワー」という番組もあって夫々人気を博していたが、ちょっと遅れてスタートしたのが日本グラモフォン(現ユニバーサル・ミュージック・ジャパン)提供の「P盤アワー」だ。
アメリカのメジャー・レーベルを抱える先行の二番組と異なり、こちらはドイツ・ポリドールとアメリカのマイナーレーベルだったコーラルが主力。ドイツにも当然ヒット・ポップスはあるが歌はドイツ語、プレスリーやアンディ・ウィリアムズとは知名度でも勝負にならない。そこで活路を見出したのがドイツの楽団演奏の紹介だった。リカルド・サントス、ベルト・ケムプフェルト、アルフレッド・ハウゼ、ヘルムート・ツァハリアスなどドイツの人気楽団はこの番組を通して日本中に知れ渡っていった。
そこで中学から高校にかけての我が青春時代を懐かしみつつ「P盤アワー」CD−Rを作ってみた。
1 星空のブルース(ベルト・ケムプフェルト楽団)2代目番組テーマ音楽
2 リラの花咲く頃(ヘルムート・ツァハリアスと魔法のバイオリン)
3 映画「太陽がいっぱい」テーマ曲(フィルム・シンフォニック・オーケストラ)
4 バラ色の夜明け(モルゲン)(歌:イヴォ・ロビック)
5 夜のタンゴ(アルフレッド・ハウゼ楽団)
6 映画「朝な夕なに」〜真夜中のブルース(ベルト・ケムプフェルト楽団)
7 赤とんぼ(リカルド・サントス楽団)
8 映画「ジャングルの処女」〜リアーネ(エルヴィン・ハレッツ楽団)
9 暗い港のブルース(モダン・プレイボーイズ)
10 真珠採り(リカルド・サントス楽団)
11 映画「黒いオルフェ」〜カーニバルの朝(ヘルムート・ツァハリアスの魔法のバイオリン)
12 碧空(アルフレッド・ハウゼ楽団)
15 愛の誓い(ベルト・ケムプフェルト楽団)
16 恋はスバヤク(歌:ガス・バッカス)
17 映画「最後の楽園」〜パペーテの夜明け(AFラヴァニーノ指揮イタリア・フィルム・シンフォニー・オーケストラ)
18 映画「最後の楽園」〜漁夫の祭り(同楽団)
19 夕映えのブルース(ベルト・ケムプフェルト楽団)
20 欲望のブルース(ベルト・ケムプフェルト楽団)
21 サンタ・マリアの祈り(ギター:フランツ・レフラー)
22 チャオ・チャオ・バンビーナ(歌:ドメニコ・モデューニョ)
23 映画「ニューヨークの王様」〜マンドリン・セレナーデ(ヘルムート・ツァハリアスの魔法のバイオリン)
24 シンフォニー(リカルド・サントス楽団)初代番組テーマ音楽
当時、アルペン・スキーの名選手でイケメンゆえに映画にも出演したトニー・ザイラーは歌も上手く人気があった。彼が歌い主演した映画「黒い稲妻」と「白銀は招くよ」のテーマ音楽は日本でもヒットしたのだがレコードを持っていないためCDに収録できなかった。それがちょっと心残りだ。
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