mixiユーザー(id:3045000)

2015年05月31日20:23

1672 view

フルトヴェングラー 1953年の第9とベスト3

フルトヴェングラー/ウィーンフィルの1953年のベートーヴェンの
第9は2種類あるが、どちらも、マストアイテムではない。

1953年5月30日の録音はは最近ドリームライフから出たもので、
存在自体が知られていなかったのか、発売当初は真偽を疑われたこともあった。
現行盤はHQCDであるが、自分が持っているものは普通のCDである。

海外では、ICAというレーベルから出ているが、
以前聞いた記憶では、音質は同じだったはずだ。

録音はちょっと聞くと、テープヒスや音のざらつきがあるのだが
生々しく、特にヴァイオリンの音が冴えていて
戦前のSPを聞くような、高貴な美しさ、独特の美しさがあって
いつまでも聴いていたいと思うほどである。

第1楽章の遅さ、フィナーレの表情付けから
まちがいなく巨匠の演奏である。

ただ、フィナーレで音質がやや落ちてしまう。
再生環境によっては、「やや」ですまないかもしれない。
第1〜3楽章が良かっただけにこれは本当に残念だ。


1953年5月31日のほうは、LP時代から何度も再発されたもので
初出LPは、演奏に混ざって、ラジオ音声(別の音楽)が入っているという
とんでもない代物だった。

その後、独フルトヴェングラー協会から、非常に音質の良いLPやCDが出た。
今回は、メモリーズの全集盤を聴いた。

第1楽章から、非常に良い音質で、安心して聞いていられるが
前日に比べると、ややオフマイク気味で、録音上の
特徴、面白さはない。
そのせいか、演奏自体も、枯れた印象が強い。

こちらのほうは、フィナーレに入っても録音はかなり良いのだが、
1952年のウィーンフィルとの録音のような熱狂的な表現はなく
むしろ1954年のルツェルン盤に近い。

というわけで、これらの音源は、
フルヴェンの10種類以上ある第9の中では
バイロイト盤やベルリン盤(1942年4月)のような
圧倒的な存在価値はないかもしれない。

しかし、フルトヴェングラーのファンなら
やはり聴かずにはいられない演奏だと思う。
「第9はフルヴェン」という人なら、なおさらそうだ。


フルトヴェングラーの第9のレア音源を聴いてきて
彼の第9のベスト3を選ぶとすると

○バイロイト(もちろんEMI音源のほう)
○ベルリンフィル(1942年4月)

の2つは当然だろう。

問題はあとの1つだ。

候補に挙がるのは
○1942年3月ベルリンフィル(ヒトラーの第9)
○1952年ウィーンフィル(ニコライの第9)
○1954年フィルハーモニア(ルツェルンの第9)

だろう。

自分なら、録音がまあまあ良くて、フィナーレが熱い
1952年ウィーンフィルにしたいところだが、
どうであろうか?


5 2

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する