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2015年05月25日03:18

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NDロードスター

S660と比べて大した試乗コースもとれなかったのだが、
一応、新型マツダ・ロードスターに乗ってきたので、記録を。


試乗は3件。日を替えて

1) 大阪マツダ八尾にてMT車(赤)、

2) 関西マツダ金岡にてAT車(白)、

3) 更に関西マツダ富田林にて再度MT車(グレー)。

運動性に関しての評価が出来る試乗は最後の富田林のみ。
Google Map の 34.510502, 135.581444 辺り、
光丘のPL教団本部周辺の低中速コーナーと
工業団地内の生活道路を適度に含んだ良いコース。

しかし、前の2件は所謂

「四角く周る」

コースでしかなく、加減速については広い道路でちょっと試して見られるのと、
運良く広い道路同士の青信号で車の挙動を確認できる程度。


まず、最初の大阪マツダでは主に居住性とユーティリティなど。

さすがにNCから全長を削っただけあって、
リアのブートの奥行きは狭い感じではあるが、
底が深いので、小型のトロリーなら立てて入る深さがある。
1.5リッター車格の2座であることを考えると
個人的にはさほど窮屈な容量ではないと思うが、
これでゴルフだとかいう金持ちのワガママには付き合ってられない程度かもしれない。
そういう人はやはり、もう一つ上のもっとダラっとしたオープントップ車を
検討すべきだろうな。

前方視界は並。
そもそもわたしのシートポジションではシートバックはかなり立つので
他の人よりはアイポイントを高めにとっていると思うが、
前端部の感覚は確保できそうな感じであるし、路面もそんなに遠く感じない。
格別良くもないけどね。

後方視界は思った程良くない。
そのトランク容量を稼ぐ点と、そもそもの造形のため
ブートリッドが高いので、見切り線は高くなる。

某社のようなリアカウル造形がないので
水平方向に遮るものがない点は良い所ではあるが、
サイドミラーに大きく映しだされるリアのブリスター部分が
側方視界も削っている。

スポーツカーは視界不便で当たり前、、、ではない。
スポーツカーこそ周囲の事情、道路、接近車を適切に瞬時に把握できて初めて
機敏な運動性能を活かした運行ができるものである。
金持ち風情にかまけて周囲が避けてくれる的な傲慢車種ならいざしらず、
そもそも今の交通事情でそういう設計を当然の是とする思想は
自動車メーカーの風上には置けないな。

格別いいポイントもつけられないが、まあ、なんとか、かな。

因みに、車格がそこそこあるので
シートバックの空間は結構ある。
わたしのポジションなら、運転席後方にもアタシェを挟み込むことは可能。
厚みがアタシェを超えてくると、床に届かず、
リアのバルクの化粧板とシートバックで宙に浮く形でホールドされるので
擦れて傷になるとかはあるかも。

ま、その程度のものは置けそう。
(身長が今風の170や180cm台の人だと上着を挟み込むのは楽に出来ても、くらいかな)

因みに、後部はヘッドロールバーだけでピラー構造じゃないので
隙間の上に障害物はなく、上から物を挟み込みやすい。


某車と比較する気はなかったのだが、
大阪マツダでいきなり引き合いに出されてしまった。
なので、世間もそういう目で見ているだろうことから、
まずはオープントップとしての比較を。

フロントウィンドウの上横枠の位置はS660より近い。

S660の方が全長の短い軽四ではあるが、
オープンエア感を出すために開口部を稼ぎたいのだろう、
上部桟の位置をなるだけ前に押しやったのだろう。
軽四キャビンの窮屈感も抑えられる。
写真1と

http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1940921119&owner_id=6972928

の3枚目がほぼ同じ角度と思われる画角の写真。比較の参考程度に。
頭上の開口部は、一見S660の方がいいようにも見える。

しかし、ロードスターのほうが何故か開放感があるのは
多分、側方の縦桟の存在だろう。

ロードスターは3ナンバー幅である利点を活かして
前方窓の横のつまり感はない。
更に、横桟は確かに近いが、逆に視界から上手くそれてくれて、
桟の存在をあまり意識しなくて良い。
更に通常のソフトトップ型で、上述の通りBピラーがないので
四方から光が入ってくるのに遮るものがなく
非常に明るい。
この明るさなんだろうな。
少なくともわたしの個人的な感覚では

「オープントップ感」

はむしろロードスター側に軍配が上がる。

巻き込み風もロードスターのほうが抑えこまれている。
S660は上に引用した記事にあるように、頭頂部が結構ヒラヒラする。
しかし、ロードスターは上手く跳ね上げ風流が頭頂部を越えてから渦に壊れるので、
一般道法定速度程度では頭の上の髪がヒラヒラすることはない。

居住性の上でS660にある長所はひざ上暖房風流機能かな。

ロードスターは開放感と不快な風の抑えこみは明らかに上だが、
助手席の膝元は日の差す角度に依っては冷えやすいだろう。


運動性に関しては、エンジン出力に関しては比較するのはインチキなので
無視する。軽四が不利なのは当たり前。
1.5リッターじゃコーナー立ち上がりのトラクションによる安定性は勝って当たり前。

しかし、やはりロードスターは自然な挙動を示す。

S660に関してはビミョウに不自然で、
ブレーキングから予測する立ち上がりとは
アンバランスな安定的アンダーステアで立ち上がるが、
ロードスターは

「こんなもんだ」

と思い描いたように立ち上がる。

無論、構造上FRであるために、過剰に前輪荷重に神経質にならなくても
操舵輪に乗っかる重さがあるので、
丁度よい弱アンダーで立ち上がってくれるし、
フロントミッドで上手く50:50を実現したと言うだけあって、
尻軽振り振り感もない。
某トヨタのナントカみたいな振り出し演出感もなく
ちゃんと踏ん張る。

「オンザレール感」かどうかだけに限定すればS660かもしれないが、
オンザレールってことはむしろレールによって軌道が限定された
受動的な旋回テイストだということなので、
「操り感」としてはロードスターのほうが自然にあると思う。

MTのペダルポジションについては、個人的にはS660の方に加点する。
ロードスターも
MTに関してはブレーキペダルの位置を過剰に引き上げるようなことはなく、
ブレーキングしながらスロットルを煽りやすい。
スロットルペダルがオルガンタイプで、足の裏との吸い付き感もいいし、
面積が広いので踵で蹴り飛ばしやすい。

しかし、ブレーキとの段差の付け方がホンダのほうが一枚上手だ。

更に、上述のように原動機系をフロントミッドシップ搭載しているせいもあり、
ロードスターはトランスミッショントンネルが結構でかく張り出していて
クラッチペダルが思いの外、右に寄っている。
不自然ではないのだが、前がスッカラカンのミッドシップと比べられると
ミッドシップのほうが足元設計には分があるな。
また、S660の方は試乗車がαしかなく、ステン製のペダルの馴染みが良くて、
ラバーカバー型のペダルのロードスターの並みのタッチより
メタルの滑り感とスリップガードホールの設計のバランスでホンダの方に加点する。
ま、ロードスターは同じラバーカバーのβと比べないと不公平でインチキかな?(笑)


6速シフトの感触はどっちもどっち。
電線伝達のS660はあの感触はいくらでも作り込めるものなので、
リンケージのロードスターと直接比べるものではない。

但し、サイドブレーキハンドルは、
わたしは個人的にはセンタートンネル手前側にある方が
操作しやすくて好みである。

ロードスターは手前、S660はパッセンジャ寄り。

手前にあると、確かにシフトレバーの手前に出っ張りが存在することになるが、
通常、シフトは左ひじをトンネル上レストにかけた状態で
手首を支点に手首で操作することになるので
(当然、ファミリーカーのようなストロークの長いシフトは手首支点は無理よ)
サイドブレーキを脇が跨ぐため、全く関係ない。
しかし、いざサイドを引く際には、手前にあれば脇が閉まって
細かい操作や力も入りやすく、操作性は格段に高い。
手首をシフトレバーから体に引き寄せたところに
丁度レバーハンドルがあり、てのひらが当然のように内側を向いているので
そのまま自然にレバーが握れる。

S660のように助手席側にあると、握る際には手首を甲側に引き上げて
掌で迎えに行かないといけないし、即応性にも問題を含み、
脇が広がる方向なので、操作性に劣る。

ま、わたしは見てくれ派手な運転を故意にしたいひとではないので、
とにかくグリップでタイヤも燃料も減らさずにタイムを稼ぐことにだけ勤しんでおれば
サイドは緊急用にしか使わないけどね(笑)。


シフトレバーの辺りの良し悪しが出たところで評価したいのは
ロードスターのAT版。

これが、なかなか良く出来ているんだ。

MT以上に、セミATモード(-/+で能動的にギアを換える)のシフトが
手首で操作しやすい位置にある。

写真2と3で、これは中立とシフトアップで手前に引いた際の状況だが、
シフトダウンもてのひらの親指の付け根部でクイッと前に押してやるだけ。
下腕の長さなど、個人差があると思うが、
わたしのドライビングポジションにはピッタリ。
アルトのようにセミATゲートが助手席側にあるというヘタレではなく
手前側なので、これまた近くて操作しやすい。

操作の良さ以上に好感を持ったのは、トルコンの感触である。
今のトルコンはほとんどロックアップが作動するのでスリップロスはあまりないのだが、
それでも、フルATのキックダウン状態では
蹴りこんだ直後に

「にゅる」

っとしたイヤな感触が出る。スタートダッシュも同じ。
しかし、このナメリ感が極少ないのである。

トルコン比率が高めに設定してあって増倍効果をうまく使っている?のか
その辺の設計的な理由まではわからないのだが、
このトルコンATは久々に

「これなら買ってもいい」

と思える出来である。

しかし、問題はシフト制御の方に少しあって、
ダウン側は素早く落としてくれるのだが、
アップ側は妙にもたつくのだ。

まあ、トルコンATで競技車ってのもないだろうし、
そこまで加速で負けたくない人は重いオープントップを買うか?という話もあるが、
それにしてもシフトアップが操作後一呼吸おいてギアが変わる感じ。

ここさえプログラムの改変でなんとかしてくれたらなあ。。。

あと、AT車のブレーキはMTと違って高い感じがして、
設置位置がMTより離れるってのもあるんだろうか、
踏み変えに機敏さを欠いてしまう。

やっぱり、振り回したい場合の操作性がMT車とは月スッポンだが、
AT車は山道を含む距離移動の用途が一定のウェイトを占め、
その中には首都圏のキチガイのような渋滞も考慮するのが必須の場合、
かなり満遍なく満足度を提供してくれる解決策のように感じた。

因みに、完全ギア固定モードもなく、
ホンダの思いあがり思想の具現のような
何の面白みもないS660のCVT車は論外ね。


その他、気になったのは
ロードスターの3眼メーターの内、左の水温計/燃料計だけ
マルチファンクションのためダミーアナログであって、
違和感がある。
表面に拡散処理をしてあるので、
直射光でも真っ白になって完全に見えなくなることはないのだが、
それでも全体に白んで他の実アナログメーターと比べて見えづらくなるし、
針映像を白で表示する半透過か散乱式で、発光型でないことから
実針式との見た目の差を縮めたつもりなのだろうが、
やはり違和感はある。どうせなら全く別のテイストでの表示にすればいいのに。

タイヤはADVAN sport V105。
バランスがいいので、タイヤの性能におんぶにだっこな運動性能設計ではなかろうから
もう一つリーズナブルなグレードのタイヤでも十分楽しめると思う。
S660でタイヤの能力レベル/バランスともに崩すとヤバイ領域に逝ってしまう可能性は
無視できないと思うのだが、ロードスターならその辺後々財布に優しいかな。

幌の収納はセンターロックを外して後方に押しやるだけ、
乗りながら10秒で行える。
逆にかぶせる方は、後部バルクヘッド中央のハンドルを引いて
浮き上がった幌を前に引っ張ってくるのだが、
この浮き上がり量が中途半端で
前に引き出す際に一旦シートベルトを外して後ろに向かないと
掴みづらい状況が多い。
なので、かぶせる際にはそれだけ余裕のある停車で行うべきか。
まあ、でも、30秒もあれば、乗車したままでOK。
ドアを開けると自動で窓を少し引き下げる機能がついているので、
クローズドの際には密封性も高い。

音にはあまり拘らない人だが、普通に四気筒のエンジン音だし、
自然吸気らしい、直線的なパワーの乗りである。
赤点線が7200rpm辺りから赤実線が7600rpm辺りからで、
1.5リッタースポーツ用途エンジンには十分合った回転許容量だし、
カタログスペックではリミット直前の7000rpmで最大出力になることから、
変なトルクの盛り付けもしていないと思われる。
低中回転域も細くもなく、大きなパンチはないが素直。
普通に使いやすい。

最近のエンジンらしく、
特にDOHC感(高回転部分の「カムに乗る」感)もないけどね(苦笑)。

ハイオク仕様車であるってのが、ちと今風の車にしては、と感じた。

ま、あのディーゼルみたいな3気筒にターボ圧抜きの音を強調して
スポーツ風だと思っているようなS660CVT車とは違い、
あまり音を気にしないわたしでも興ざめするといったことはないから大丈夫だろうな(笑)。


結果的に、AT車にはちょっとグラっと心が動いたね。
でも、AT車で S Special Pack、ナビSDを付けて総額は確実に300万超える。
MTなら300万未満。
コスト比のところで、300万超えると、
「優等生」でどうしても留まってしまうロードスターでは
衝動に走るほどのインパクトは残念ながら、という感じ。

アルトの座席の悪さのために代替できていない smart の長距離移動用途を満たすには
頃合いのパッケージなのだが、3台目としては微妙にコストが引っかかる。

違う割り切りで、
壊れることをがどうしても気になるS600(※S660ではないぞ)の遊び用途で
心配を払拭して振りまわす用途にMTとすると、
どうしても生活の中での必要性を自己説得できない。
そこは、非常識な納車時期を無視すれば、200万でS660βMTを検討するのと
コスト比的に大差がないと感じてしまう。


ロードスターなら、今発注して7月中頃、1ヶ月半程だそうだ。

総合的に考えて、世間が見るような該車との比較では
キ○ガイのように待ってまでS660を買うのはやはり変。
純粋なコストとか性能とかの比較ではなく、
例えば、希少車に乗っている優越感とか、過熱報道による羨望視線とか、
どうしてもカッコを気にするなどの特別のこだわりがあるのならS660かもしれないが、
その場合はもはや比較する意味がなく、
NDを持ち出すのは優越感の増倍効果に暗に期待している以外の何物でもない
(そういう人は、どんなに正論を与えても全て否定してS660をべた褒めするだけ)
しかし、そうやって1年後にやっと手に入れたS660が同じポジションで居られるのかが謎。
車そのものの性能や乗り味を見て買うのであれば、今ならNDロードスターな気がする。

リードタイムで相当初期配布分を作っているようで、
試乗車が大阪府下には山ほどある。
特に関西マツダが相当台数確保しているねえ。
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