とても楽しみだったコンサートに行ってきた。
目を瞠るようなようなオール・イギリス音楽プログラム。
5月23日マチネ トリフォニーホール
尾高忠明 新日本フィルハーモニー交響楽団
★ Rヴォーン・ウィリアムズ:タリスの主題による幻想曲
★ Fディーリアス:楽園への道〜「村のロミオとジュリエット」から
★ Bブリトゥン:4つの海の間奏曲〜「ピーター・グライムズ」から
★ Eエルガー:交響曲第1番
今やイギリス音楽のスペシャリストとなった尾高に応え、オーケストラもとてもいい演奏を聴かせてくれた。特に吉永雅人率いるホルン・セクションの充実ぶりが印象的。
「タリスの主題〜」は生で聴くのは初めて。音だけでは分からない楽器の配置を目で確認できたのは収穫。こういう弦の中音域を活かしたサウンドはイギリス音楽独特のものだ。
「楽園への道」はとりわけ好きな曲で、尾高の指揮できくのは2回目。1回目は日本フィルだった。比べると今日のほうが遥かに優れた演奏。絶妙なピアニシモで曲の終わりを迎えるところで拍手のフライングが一人。バカヤロー
「4つの海の間奏曲」は一番楽しみにしていた曲。2曲目の「日曜日の朝」は、高校生の頃聴いていた深夜のラジオ番組「世界の名曲」でテーマ音楽として使われていて、以来お気に入りの一曲となった。この4曲を聴いただけで北海の荒涼とした情景が目に浮かんでくる。ブリトゥンという人は本当に天才だ。余談だがオペラもとても素晴らしい。
交響曲1番はいかにも大英帝国ここにありといった威厳を感じさせる堂々たる大曲。本当は2番の方が好きなのだが、これはこれで立派な音楽には違いない。
こういったイギリス音楽だけでプログラムを組むというのは、営業的にはリスクが大きいだろうと思う。実際、土曜日の昼間というのに空席が結構目に付いた。
にもかかわらず、極上の音楽を届けてくれた尾高忠明と新日本フィルには、イギリス音楽好きとして最大級のブラヴォー!を贈ろう。
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