重く遠い

日本国内、同人種に於いても、文化圏、宗教、教育、価値観の違いがこれだけあるのだから、世界に於いては言われている以上、想像以上に違い、異なるのだろう。

けれども、最低限の文化、宗教、教育、価値観に関しては、そろそろ同等程度の水準を成せないものなのだろうか。
「殺してはいけない、奪ってはいけない、嘘をついてはいけない」
何千年と言い続けているこのくらいは。
人間は、動物の持つ欲望に加え悪意ある知能を身につけてしまっているので、手がつけられないリスクが人間と言う存在にはどうしてもある。

と思うのだけれど、企業の社員教育ですらままならない事があり、または学校教育、家庭教育ですらままならない事があり、それを思うと、とても国内以上の世界の水準を上げる事など夢のまた夢とも思い、更には、世界を見てみれば人口はたった数十年で倍加していて、また、何千年と言い続けているのに成し得て居ない事実にぞっとしてしまう事も事実。

現場現場で意識を改革し続け、成らずとも成らずとも成らずとも続けていく事だけが、成せるに至るのだろう。

曾子
「士は以て弘毅（こうき）ならざる可からず。任重くして道遠し。仁を以て己が任と為す。亦（また）重からずや。死して後に已（や）む。亦遠からずや」

士は広い度量と強固な意志との持ち主でなければならない。
荷物は重く、その道は遠いのである。
仁道を体得し、それを世に広めることを、自己の任務としている。
なんと重いことではないか。
しかも、その任務を果たすためには死ぬまでやめないで続けなくてはならない。
なんと遠いことではないか。

正にこれだ。
何年前から言われている事なんだ(曾子は少なくとも2500年以上前)。
此処で言われていると言う事は、もっとずっと更に昔から思われ言われていた事だろう。
それでも、まだ足りないわけで。

こう言った問題は、政治や警察に留まらず、記事中の犯人や家庭の問題に留まらないし、ましてや中絶禁止云々の問題のみではなく、それでいて少女の心身のケアや今後も大切だ。

全ての犯罪や不吉な物事は、起こるとは思いたくないが、自分の子や自分自身に起こった時の事を世界中の全員が思い、考え、行う事だ。
めちゃくちゃ面倒だったり、堅苦しかったり、暗く重く辛い事ではあるけれども、少しでも減らすには、まず自分がこうしていくしかない。
自分が殺さず奪わず嘘をつかなければ、被害者は存在しない。

それを、しない、と言う事は、こう言う事であり、こう言う人間と言う事だ。

■１０歳少女暴行され？妊娠　中絶禁止のパラグアイで波紋
(朝日新聞デジタル - 05月06日 09:29)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=3403774