60代から上の世代なら、昔ラジオに「S盤アワー」という番組があったのを憶えていると思う。
当時、国内のレコード会社は自社が発売するレコードだけを掛ける番組を持ち、「S盤アワー」は日本ビクターの提供だった。この番組は1952年に放送開始69年に終了する。
DJは帆足まり子さん。彼女、アナウンサーでも音楽評論家でもなく正真正銘の日本ビクター社員というのが面白い。番組のテーマ音楽ペレス・プラドの「エル・マンボ」に乗せて「S盤アワー〜」と語りかけるその明るい声はとても人気があった。案内役を最後まで務め、のちにラテン歌手として活動、2003年に71歳で亡くなった。
日本ビクターはアメリカのレコード会社RCAの発売元で、エルヴィス・プレスリー、ニール・セダカ、ハリー・ベラフォンテ、ペリー・コモ、エディ・フィッシャーといった強力なアーティストを抱え、こと洋楽に関しては日本ビクターは他社を圧倒していた。後々、欧州のレコード会社とも契約するようになるが、それでも、あくまで主力はRCAだった。
そんな往時を偲びつつ、「懐かしのS盤アワー」
CD-Rを作ってみた。出来上がったものを聴き直してみれば中学生に戻った気分だ。
1 S盤アワーのオープニング(DJ 帆足まり子)
2 G.I.ブルース(エルヴィス・プレスリー)
3 青いカナリア(ダイナ・ショア)
4 ばらの刺青(ペリー・コモ)
5 イン・ザ・ムード(グレン・ミラー楽団)
6 恋の日記(ニール・セダカ)
7 バナナ・ボート(ハリー・ベラフォンテ)
8 チャ・チャ・チャは素晴らしい(エンリケ・ホリン楽団)
9 小さな靴屋さん(ユーゴー・ウィンターハルター楽団)
10 ラヴ・ミー・テンダー(エルヴィス・プレスリー)
11 黄金の腕を持った男(リチャード・マルトビー楽団)
12 恋の片道切符(ニール・セダカ)
13 オー・マイ・パパ(エディ・フィッシャー)
14 エル・マンボ(ペレス・プラド楽団)
15 マンボ No.5(〃)
16 セレソ・ローサ(〃)
17 パトリシア(〃)
18 闘牛士のマンボ(〃)
19 死ぬほど愛して〜映画「刑事」(アリダ・ケッリ)
20 太陽はひとりぼっち(コレット・テンピア楽団)
21 アイドルを探せ(シルヴィ・バルタン)
22 マンボ・バカン(ソフィア・ローレン)
23 アイ・ウィル・フォロー・ヒム(リトル・ペギー・マーチ)
24 はだしのボレロ(ユーゴー・ウィンターハルター楽団)
25 月影のなぎさ(アンソニー・パーキンス)
26 心の届かぬラヴ・レター(エルヴィス・プレスリー)
27 唄う風(ラルフ・フラナガン楽団) 番組終了テーマ曲
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