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2015年04月12日11:47

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ドビュッシー 練習曲集を聴く

マイミクの方が、日記でピアニストの小川典子の活動を
紹介されているのを読んだ。

そういえば、小川典子のドビュッシーのライヴが公開されていたことを思い出し
サイトを探してダウンロードした。

練習曲集の全曲演奏。ロンドンでのライヴだ。
第1曲をきいただけで、難曲を演奏会で弾くことの
大きなプレッシャーが伝わってくる。

全体的に、遅めのテンポと、控えめの解釈で
テクニックの披露よりも、作曲者の晩年の境地を追求したような演奏である。

第5曲「オクターブ」では大きなミス。
第12曲「和音跳躍」では、かなり悪戦苦闘。ミスも多い。

この曲はあまり人気がないが、非常に面白い曲なので
この機会に、いろいろな演奏を聴き比べることにした。

ベロフ(1回目 EMI)
早いテンポと明快な解釈で何よりも
鮮やかなテクニックに驚かされる。
技巧的な面白さとわかりやすさで出色の1枚といえる。

内田光子
小川典子と比べると、速めのテンポ、メリハリをつけた語り口と
対照的で面白い。
録音のせいか、ピアニシモの音色が薄く、その点は大きなマイナスだが、
演奏自体は文句なしの名演。

ポリーニ(you tubeのライヴ、およびスタジオ録音)

1986年ライヴだが、ポリーニのテクニックは凄い。
超難曲を弾くプレッシャーを乗り越えて、逆に
聴衆を圧倒してしまうものすごさである。
小川典子が悪戦苦闘していた第12曲「和音跳躍」では
実に熱い演奏。ミスも全然ない。
改めてポリーニは大ピアニストだと思い知らされた。

DGのスタジオ録音のほうはかなり後の録音なので
若い時のライヴほど圧倒的ではないが
それでも「4度」など、かなり速く、攻めた演奏。
第12曲「和音跳躍」は軽快な演奏になっていて
若い時のライヴとの違いなど、興味はつきない。

今回の聴き比べでは、当然、ベロフとポリーニの演奏が印象に残った。

あまり人気のない曲であるが、晩年のドビュッシーらしい、ユニークな
音楽なので、もっと聴かれてもいいと思う。
(HMVで検索すると、ディスクの少なさに驚く)


あと、肝心なのは、この曲の楽譜の美しさである。
ピアノ奏法の創意工夫、そしてなによりも見ための美しさ。
ぜひ楽譜を見て欲しいと思う。


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