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2015年04月01日17:54

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映画日誌「妻への家路」

 現代の中国では文革批判もごく当たり前かもしれないが、中国映画界の巨匠であると同時に、中国お抱えのような監督でもあるチャン・イーモウとなると、あまり政治的な背景を強調するわけには行かないのか?
 巨匠だけに、文化大革命などの政治的背景を除いたとしても、記憶を失った妻と、懸命に寄り添う夫の夫婦愛、というものは良く描かれているし、冬の中国の情景なども感じ取ることができ、純粋な人間ドラマとしては味わいがあるのは確か。
 コン・リーの演技を見るのは久しぶりだが、変わらず良い演技を見せてくれるし、夫役のチェン・ダオミンも切なさが良く伝わってくる。
 既に文化大革命を知らない世代の人にとっては、夫婦の絆を描いたドラマとしてみればよいだろうが、逆に、歴史的な背景を知らないと少し理解しにくいところもあるかもしれない。
 もう少し巧みに歴史や政治の描写も織り込んで、もっと重厚なドラマにできたかもしれないし、その点では、やや物足りなさも残ってしまうようだ。
★60点
4 0

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