第2次世界大戦末期のパリ。
パリ市街の破壊命令を受けたドイツ軍将校と、街を守ろうとするスウェーデン総領事との心理戦が描かれた、どちらかといえば舞台劇に近い感じのドラマ。
同じテーマの映画では「パリは燃えているか」があるが、こちらは一晩だけに限定したワンシーンものに近い。
二人の問答が延々と続くのはやや退屈な感じもするのだが、舞台でも同役を演じたベテラン俳優の重厚な演技は味があるし、結局、破壊は行われないまま夜明けを迎えたパリの景観には少しばかり感動も覚える。
詳しい予備知識は持たないものの、おそらく二人とも実在の人物だろうが、もう少しそれぞれの人物像も詳しく描いて欲しかった気がする。
特に、家族を人質にとられ、任務を遂行せざるを得ない将校の悩み、葛藤が一番のテーマだろうし、退屈さを紛らわすためにも、もう少し将校に感情移入できる描写があったほうが良いのでは?
舞台劇的な味わいはあるのだが、やはり若い観客だと途中で寝てしまうかもしれない。
一度でもパリの観光に行ったことがあって、パリの美しさを知っていれば、そんなことはないかな?
★60点
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