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2015年03月11日20:15

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サルトのスケルトンオーダーの秘密

■ サルトのスケルトンオーダーの秘密

サルトのカーボンフレームのフラッグシップモデルは、これと言った主張がない感じですが、存在感はあるという不思議な印象のフレームです。メインフレームは今時のファットデザインかと思えば、シートステーは長方形の断面で45度ひねっているとか、ひと味違う面を持っています。

イタリアの中規模なファクトリーで、設計から生産、塗装まで一貫して行っています。カーボンフレームは、形状や強度設計を3D解析法を採用して、設計段階でほぼ製品の強度や外観的なデザインを決定できます。

カーボンフレームのデザインを実現するアルミ製の金型の製作、オートクレーブ製法の肉薄で高強度なカーボンチューブの製造、フレームチューブの接着、塗装行程まで備えているファクトリーで、短時間でアイデアを実際の製品作りへ反映できます。

カーボンフレームの素材を成型する製造ラインも有って、カーボンプリプレグをオリジナル設計で製作したアルミ合金製の金型で、不活性ガスを閉じ込めた炉で加熱と真空引きのオートクレーブ製法で、精密な肉薄構造ながら高強度のチューブに成型します。

加熱硬化樹脂やカーボンプリプレグを重ねた中から、亀裂などの原因の可能性があるボイド(気泡)をできる限り排除する、大がかりな機材が必要なオートクレーブ製法で成型しているのです。

フレームをラグとトップチューブなど、いくつかのパートに分けて精密に成型して、テーパー状の継ぎ手にして、そこを接着して仕上げ、継ぎ目がほとんど見えないセミモノコック製法が一般化していますが、オーダースケルトンのサルトの接合方法は違うみたいです。

一見するとサルトのフレームも接合部分がスムーズなスロープを描いているので、セミモノコック製法のカーボンフレームに見えてしまいますが、接合部分はカーボンチューブとカーボンチューブをぴったり合わせてザグリ、周辺をカーボン繊維を積層させてスロープを造り、直接接着する特殊な工法だそうです。

サルトのフレームチューブの接合部分は、セミモノコックのフレームチューブとは別の形状をしています。各パートが細分化されている部分もあるし、ラグとチューブが一体の部分もあります。

オリジナル形状のフレームチューブを作ることができること、カーボンチューブの接着面を特殊なカッターでザグリ加工で精密に仕上げて、ハンドレイアップでカーボン繊維を巻き付けて接着して接合しています。

カーボンラグとカーボンチューブで接着する工法は、ラグにゆとりのある設計をして、チューブを差し込む部分の加工する角度を変えて、ある程度の範囲なら角度や長さを調整することができます。

セミモノコック製法でも、接着面の加工次第で微調整することができます。いずれにしても職人が時間をかけて対応するワンオフものになります。サルトは、このチューブの接合面を合わせて、接合部にカーボンを積層させて接合する工法を採用しているので、中規模のカーボンフレーム製作ファクロリーでありながら、スケルトンのオーダーを可能にしています。

テクニックのある職人がハンドレイアップで接合部仕上げるには、手間も時間もかかるので、カーボンフレーム製造の効率がいいとは言えないし、成型されたパートと、他のパートはカーボン繊維のつながりがないし、モールデッド工法のような感じで、接着強度的にも疑問が残る方法ですが、それがスケルトンオーダーの秘密です。

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