息を整え、動悸も抑え、静かに照準を定め、確実に標的を捉える。
部隊の援護のため、離れた所から銃を構え、周囲を見回し、危険を察知すれば素早く判断し、銃を撃つ。
一人の子供が手りゅう弾を持っているのを発見した時、引き金を引くべきか…
イラク戦線に派遣された一人の狙撃手の功績と苦悩、そして、あっけないほどの結末。
戦場で敵を多く殺せば殺すほど、功績を称えられ、英雄として扱われるのだが、兵士本人の心情は?
同じようなテーマは、戦場ドラマとして、これまでにもいくつかあったが、実在の兵士の自叙伝を基にしていているだけにリアリティがあり、戦闘のシーンも緊迫感がある。
今の時世だけに、決してヒーロー・ドラマとして描いているのではなく、戦場での殺人と、それが与える精神的な影響はどのようなものなのか?ということを強調しているが、同時に愛国心が駆り立てるものや、異教徒に対する嫌悪、というものも考察しているようだが、ここらはなかなか描くのが難しいものか。
まあ、クリント・イーストウッドらしい人間の描きかたは、評価されても良いと思うのだが。
★65点
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