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2014年12月30日16:26

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映画日誌「誰よりも狙われた男」

 ドイツのハンブルグに、一人のチェチェン人テロリストが現れたことを察知したテロ対策チームが、より大きな標的の金脈を暴くことを目的に、逮捕せずに泳がせる作戦を展開する。
 テロ対策チームのリーダーは、かつてアメリカで作戦を失敗させたことがあるため、他の諜報機関やアメリカのCIAはチームの作戦に疑問を抱き、意見の対立も生まれるが、一方でテロリストは人間的な一面も見せ、彼と接触した弁護士の女性は救いの手を差し伸べようとする。
 ウイレム・デフォー演じる銀行家も含め、様々な人間が交錯し、この中で展開する盗聴や尾行などの諜報活動は結構緊迫感があるが、スパイ・アクション的な展開を期待したのなら、やや物足りなさを感じるかもしれない。
 故フィリップ・シーモア・ホフマン演じるチームのリーダーや、ウイレム・デフォーの銀行家は結構印象的だが、それ以外の登場人物の人物像は、やや掘り下げ方が足りない感じで、そもそもチェチェン人カルポフは何のためにドイツに潜入したのか、その目的もはっきりしない。
 このあたりがややもどかしいままで結局迎えた結末は、主人公だけでなく見る側も、果たしてこれで良かったのかどうか、割り切れない気持ちが残ってしまう。
 といっても、それがこの映画の意図かもしれないが。
 ドイツは多くの難民を受け入れている国だが、アメリカもそうであり、難民以外、テロリストに対する扱い方は、両国で多少は違うのだろうか?
 テロリストに人間性を取り戻させ、ドイツに定住させようとしたのに、アメリカは絶対に容赦しない、というアメリカの姿勢に対する批判もあるのか?というのはややひねくれた見方か?
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