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2014年12月21日11:28

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怪盗キッドなんてお子ちゃまさ (当たり前か)

 昨日は、お仕事的には絶不調。
 結局、したことといえば、三食作って食べたのと (冬は外食に出るのが寒くておっくう)、この文庫本を読み上げたくらい。
 『怪盗ニック全仕事 (1)』 東京創元社 (2014).
 http://www.tsogen.co.jp/np/isbn/9784488201142

 SFも、中高生のころにはまったあと、きちんとフォロウしてないのであまり詳しくないけど、ミステリとなると、もっとずっとお恥ずかしい状態。
 なにしろ、この怪盗ニックものをはじめ、サム・ホーソーンものやサイモン・アークものといった人気シリーズを半世紀にわたって書き続けたエドワード・D・ホックを、いままで1冊も読んだことがなかったっていうんだから。

 うん、さすがに、ライト謎解きの短編集としては、ハイクオリティ。 人生の箸休めにはもってこい。
 この連作の主人公の怪盗ニックは、価値のないもの、人が盗もうなどと思わないものを、依頼に応じて盗んでくる。 報酬は1件2万ドル、ただし依頼内容がとくに困難な場合は3万ドル請求する。
 この第1巻では、動物園の斑毛のシベリアトラ、ブリキの玩具のネズミ、上演が終わったミュージカルの切符の束、メジャーリーグの最弱チーム、刑務所の囚人の部屋にかかっているカレンダー、湖に出没する謎の怪獣、メリーゴーランドの木馬、殺人事件の陪審員1組・・・、といったものを、頼まれて盗んだ。

 謎解きが二重構造になっているのが、このシリーズの工夫。
 突飛でじつは面倒な盗み出し依頼に主人公がどうやって応じるかが、パズル解きの1。 そして、依頼人がなぜそんなものを盗ませたのかを、主人公が (たいていは自衛のために) 推理して解明するのが、パズル解きの2。
 小粒だけど、一粒で二度美味しい。

 しかし、このシリーズ、ずいぶん長いことよく売れてるのに、TVドラマ化とかされたことがないんだって。
 それは、窃盗犯の主人公が、毎度毎度罰されずに報酬を得るという設定は、道徳的によくない、という批判があるためらしい。
 米国の大衆のレベルって、そんななのね。 リュパンを愛するフランス人と、大違い。

 ***

 余談だけど、ミステリって、本来的に保守的なジャンルなんだよね。
 SFの積読がなかなかはけなくて、ミステリ読むほうが楽になってきてるって、やっぱ私の頭が (順当に)、お年寄りになってきてるってことなんだろうな。

 さらに余談だけど、こんなもじりを思いついた。
 回答ニック。
 依頼されれば、どんな問いにも回答します。 ただし、答える問いは、価値のないもの、もしくはだれも答えようと思わないものに限る。 報酬として、問いひとつにつき2万ペソ (とくに難問の場合は3万ペソ) いただきます。
  ・・・って、くだらないね、どうも。

 あ、ペソといっても、いろいろあるのだった。 最近の換算レートだと、1円が、0.12212 メキシコペソ、 0.19544 チリペソ、0.374049フィリピンペソに当たるらしい。
 というわけで、回答ニックは、いちばん分のいいメキシコペソでの支払いを求めます。


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