mixiユーザー(id:6859258)

2014年11月20日17:20

120 view

「 紙の月 」

 
何とも心がざわついて仕方ない映画である。
絶えず、緊張感の波が寄せては引き、また寄せてくる。

【 銀行の契約社員として外回りの仕事をしている主婦・梅澤梨花(宮沢りえ) は、ある日、大学生の光太(池松壮亮) と出会い、密かに付き合いだしたことから、やがて顧客の預金に手をつけてしまうようになり、気づいたらいつしか坂道を転がりだしているのだった。 】

既に ≪山路ふみ子映画賞≫ と ≪東京国際映画祭≫ で女優賞に輝いているが、宮沢りえは確かにそれらに値する演技を見せる。
これだけ際立つのは、やはり監督の手腕によるところが大きいのだろう。
宮沢りえの演技のどこがどう凄いのか書き表すのは難しいのだが、彼女だけ顔つきが異次元感に溢れているのである。 別の世界で生きているような。
映画の主演は7年ぶりらしいが、それがプラスに作用したのかもしれない。
とにかく、見ものであった。

小林聡美の真面目ひと筋のベテラン女子行員役の演技も、さすがだった。
一般的なイメージとは真逆の役を振る。
キャスティングの勝利でしょう。

梨花が日常を踏み外してしまうきっかけとなるのが、池松くん演じる光太。
彼は特に今年大活躍であるし、忙しい中8月には湯布院映画祭にも来てくれ応援しているのだけれど、本作では、初登場シーンはなかなか良かったものの、どうもこの役にはいまいち合っていないように感じられてならなかったのである。
果たして、梨花が彼に溺れるかなぁ、と。
女性が見れば、また違うのでしょうけど。


全体としては、展開に無理のある箇所等があるものの、” ま、映画なのだから ” と許せる範囲に収まってくれ、宮沢りえの出色の演技をたっぷりと味わうことが出来た、観て、損のない1本でした。


 
1 2

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する