mixiユーザー(id:1640816)

2014年01月16日19:46

503 view

おでんのシメはすいとん。

フォト


この寒い季節、ギャンブラーだったオヤジは、競馬、競輪、オート、競艇、果ては闘鶏などで負けると、交通費にとっておいたなけなしの小銭でおでんのつゆを持参してきた魔法瓶に入れてもらい、徒歩で帰って、ナベにあけてすいとんと一緒に煮込んで食べていたそうである。
鉄火場の屋台のおでんつゆはスズメの焼いたのを煮込んでるから出しがきいていたなどとわけのわからない自慢をしていたが、そのハナシを聞いて以来、私はおでんのシメにすいとんを入れて食べるようになった。

今では専用のすいとん粉を売ってるが、昔は小麦粉そのものを水で煉って煮込んでいた。味噌で煮込むのがイチバン美味しいのだが、おでんの残りのつゆで煮込むのもイケる。グツグツ煮込んだところへ新たに刻んだネギと生玉子を放り込めば、風邪にも効く。

おでんの出しはまず、昆布とさつま揚げなどの練り物から取る。従って、関西人はウドンがイチバンや、ウドン以外に何が合うねんと威張る。確かにすいとんはウドンに比べると劣る。味からして貧乏くさい。

でも戦中戦後、飢えていたヒトたちにとっては多めに食べられるごちそうだったのである。

祖父はすいとんが嫌いだった。食べると戦争を思い出してみじめになると言っていた。でもオヤジはすいとんが何よりの大好物だった。ラーメンにもすいとんを入れていたし、お汁粉の餅がなくなるとすいとんを足して、とにかく増し増しの目的でなんでもかんでもブチ込んで食べていた。

私は晩メシにおはぎを出されてこんな甘いもんがメシになるかとオヤジと殴り合いのケンカをしたが、すいとんのお汁粉はありがたく頂いた。

個人的にすいとんに対して一種の愛慕があるからなのかもしれない。

すいとんなくしてオヤジは生きていなかったかもしれないし、当然、私もこの世に生まれてこなかったことであろう。私は今日もおでんのシメにアツアツのすいとんをつるつるシコシコ噛みしめて呑み込んで胃袋を満たした。
5 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2014年01月>
日 月 火 水 木 金 土
   1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031