おもしろい本を読んだ
些か読みにくい(?)のが玉に瑕だが、
とても勉強になり、目からウロコの嵐である
●二神能基、『ニートがひらく幸福社会ニッポン』
http://booklog.jp/users/tooriame/archives/1/4750336521
著者によると、近年、
ニートを愛しニートと結婚する女性が増加中ということだ
「自分も背伸びせず、ありのままでいられる」
「世間ずれしていなくて、とても純粋」
「細やかな気配りをしてくれて優しい」
そんな、マイナスイオンを振りまくような魅力が
女性を引き付けているそうだ
この書籍では、ニートを
「21世紀型価値観を持ち、時代に適応できる進化系人類」
と捉えてるところが新鮮である。
書籍のキーワードにもなっている、
20世紀型価値観と21世紀型価値観をざっくりまとめると、
以下のような感じになるだろう。
【20世紀型価値観
】
・結婚相手は、経済力が最優先
・物質的豊かさを重視
・男は仕事、女は家庭
・物欲、成長思考、経済至上主義、ガンバリズム、上昇志向
・「正社員であり、結婚してなければ人にあらず」というつぶやき
・「たとえイヤなことでも、仕事ならやる」という姿勢
【21世紀型価値観
】
・結婚相手は、人柄が最優先
・精神的豊かさを重視
・男女の関係なく、お互いにできることをすればいい
・物欲なし、成長思考なし、アンチ経済成長主義、安定志向
・「結婚って、正社員っぽくてイヤなんですよね」というつぶやき
・「たとえ好きなことでも、仕事ならやらない」という姿勢
悲しいことであるが、20世紀型価値観を持つ人と21世紀型価値観を持つ人が
わかりあえることは決してないだろう。
まるで、イスラム原理主義者とクリスチャンくらいに……。
まずは、お互いを「宇宙人」だと認め、わかり合うのは諦めること。
ここを割り切ることが大事だとのことだ。
無理にわかり合おうとしたり、自分の価値観を押し付けたりすると、
「戦争」が勃発しかねない。
40代以上の人の多くは、20世紀型価値観を持つとされるが、
問題は10〜30代。。。
10〜30代には、20世紀型価値観と21世紀型価値観が同居してるので
混乱することも多い
まるで、1つのPCにマックとウインドウズを入れたように……。
そんな混乱の中で、21世紀型価値観へと進化して来てる人が
「ニート」だと書籍では述べられている。
ニート、あるいはニートライクの人は金銭への執着がほとんどなく、
その金銭感覚は「ラテン系」の文化に近いものがあるらしい。
たとえば、財布をすられても、
「本当にお金を必要な人が持っていったなら、いいんじゃね?」
というさっぱりした感じである。
徹底したアンチ経済成長主義、アンチ仕事主義。。。
「みんなで少しずつ"貧乏"を分かち合おう」という
ちょっとキリスト教的な考え方を持つのもニートと言える。
少子&超高齢化で、今後、経済はどんどん縮小する運命にあるだろう。
経済成長・物欲以外の楽しみを見つけ、
日々、小さな幸せを見つけるようにしなければ
21世紀を生き抜いていくことは困難だ。
仕事を生きがいにすることも難しくなるだろう。
労働の存在価値が下がる一方で、こんな考え方もできる。
人々は労働に時間を取られることなく、
やりたいこと、勉強したいこと、
考えたいこと、研究したことなどに十分な時間を費やせるようになるのだ。
育児、家族サービス、友達づきあいにも目いっぱい時間を使える。
身の回りに、まったく話の通じない「宇宙人」はいないだろうか。
その宇宙人は、ひょっとすると、
「21世紀型価値観を持ち、時代に適応できる進化系人類」なのかもしれない
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