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2013年09月05日17:54

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Deep Machiya、夢のなかの家屋風景。

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生まれた時から夢のなかで繰り返し現れる、家屋風景をあなたは正確に設計出来るだろうか。江戸東京博物館の模型製作にかかわっている方と世間話する機会に恵まれたので、夢のなかの家を模型で再現出来るかどうかを楽しく話し合った。



1985年にポール・シュレーダー監督が撮った「MISHIMA」の金閣寺が、私の夢のなかの家屋風景そのものといっていいくらい、眼前でシュルレアリスティックに変幻していくのである。三島はそこに美と破滅の共犯関係を追及したが、私は今日に至るまで無限に増築しつつある迷宮のような家屋風景をさまよう。

かたつむりの殻のなかのように回転していって奥詰まった砂壁の部屋続きの和室。

黒光りした廊下が何度も折れ曲がって決して突き当たることのない空間が続く。

むきだしになった梁の上を何かが渡っていく。

死んだはずの祖父、父、母、祖母がそれぞれ部屋に一人で座ってこちらに背を向けている。

そして便所は相変わらず誰もいないのにひとりで扉が開く・・・

「模型は実際に住むことを想定して作られるものですからね」とNさん。「夢のなかのあれはちょっと手に負えないですね、画用紙に好き勝手に描いたことがありますけれど」
「模型は確かに厳しいですよね、作ってみた時点で、あれ、こんなんだったっけ?とどうしても違和感を覚えちゃいますからね。やっぱり絵ですかねぇ・・・」

でもそこをあえて、模型にしてみるのもひとつの冒険ではないだろうか。ポール・シュレーダー監督も美術スタッフの手を借りて上のような恐るべき幻想シーンを撮った。

そこに確かに視たものは、現実であれ、夢であれ、実際に触れられるものにするのは可能なのだ。それを私なりにDeep Machiyaと称して、厚紙などの軽い素材で気軽に組み立ててみたい。

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