映画史に残る怪優クラウス・キンスキーが長女ポーラ(写真の一枚目)によって近親相姦のスキャンダルを暴露されたニュースを聞いた時、私は即座に生贄を思い浮かべていた。
単なる血みどろの生贄ではない。
神と供物の関係、父と子の関係は全く同じもので、同時に原始的なものを超越した愛が横たわっているのだと。
そのあたりを「燔祭」というタイトルでとつとつとした文体で語った。
それが昨晩完成した。
脳の血管が膨れ上がる感触を何度も味わって書いただけあって、自分なりに気が狂った作品になったと思う。しかし、私は愛について語っただけである。クラウスはケダモノだった――しかし、ケダモノはケダモノなりの愛があるのだ。
最初にミナコとマミに読んでもらった。感想は「近親相姦も純愛なんだね!」であった。
※猫を抱いている男の子の写真はニコライ・キンスキーで、父親とともに「パガニーニ」に出演した時のもの。
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