http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=320059#2
公開当時は原作も読んでいなかったし、ミリタリー・オタクたちによる拒絶反応が轟々と耳に入ってきたため、実に八年も寝かせてしまった。
そのあいだ、原作は「亡国のイージス」とともに読破した。
いわゆる冒険小説というものは、ゴルゴの原作も担当した船戸与一の作品を見てもわかるように、一種のファンタジーなのである。男のロマンともいう。
従って、リアリティをそんなに求めるならノンフィクションでも読めばよかろう。
映画は実によかった。今をときめく俳優たちが結集しているのを八年経って観るというのがたまらなかった。
あんなに面白かったのに我が国の観客に受け入れられなかったのは、やはり観る姿勢を最初からはき違えているからに他ならない。戦争映画ではないのだ。冒険映画はひと昔前の「キングコング対ゴジラ」とか「釈迦」とかああいう特撮ものの系譜を辿るものだし、そもそも「赤胴鈴之助」をマジメな時代劇ものとして読む人などいないだろう。
そういうことなのである。
映画を素直に愉しめない輩の何という心の貧しさ。
それにしても潜水艦に美少女が一人、しかもナチスによる強化人間。
このシチュエーションは我が国最強の布陣のはずなのだが、オタクたちが拒絶反応を示したというのは、やはりオタクでしかない底の浅さを感じてしまう。
私は水密服のデザインを担当したのが出渕裕氏と知って、ものすごく興奮した。
楽しめなかった方、未見の方はファンタジーとして観て欲しい。
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