物干し台を作りたい。

同じ台東区の中古物件を購入した檀家が昔風の物干し台を屋根に設置したいので、いいところを知りませんかと相談しに来た。
蔵前にある五階建てのビルだそうで、その上にさらに物干し台を作りたいと。
建築法はクリアしてるんですか？と聞いたら、問い合わせて大丈夫と返事をもらったというので、オヤジの代に世話になった大工さんに連絡してみた。
この方は長屋の屋根に共同物干し台を組んでいた職人で、私は子供のころ現場を見学したことがあるので覚えていたわけであった。
出たのは息子さんで、大工さんは亡くなっていた。それでも物干し台についてあれこれ聞いてみたら、軽量鉄骨製で木製より値段は張るけどそれでもよければと言ってきた。
その旨を檀家に伝えたら、それでいいとのことなので直接連絡して下見、見取りをし次第、着工の運びとなった。
そもそも五階建てのビルならば、屋上が平らなので、昔みたいに屋根の強度を考えて台を組む必要はなかろう。そのままスタンドを設置すればいい。
でも檀家はさらに階段をつけた物干し台を作りたいらしい。
「もしかしてスカイツリーを見たいから？」と私が聞いたら、「実はそうなんです、今のままだと向かい側が邪魔でよく見えないもんですから」。
それじゃ物干し台じゃなくて展望台じゃないか。笑。
でも昔の物干し台はみんな展望台も兼ねてたからね、絶景かな、絶景かな、お江戸の眺めを見渡すライフスタイル。
カネをかけるだけの価値はある。