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2013年04月15日19:03

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さらば地球よ。

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ここんとこ立て続けに奇妙な夢を見たので、再構成してじっくり書こうと思っている。
タイトルは宇宙戦艦ヤマトの主題歌の歌い出しとして知られる「さらば地球よ」。この後に旅立つ船はと続くのだが、私の作品ではそれっきりである。さらば地球よ、俺は行くところがない。

ほんとうにそういう夢を見た。

バスで学校の敷地内をいつまでもぐるぐる回るシチュエーションは、聾学校の時の体験に根付いた感覚だ。市川駅の北口からバスが迎えに来て、国府台の聾学校へ送り届ける段階で、敷地内に入ったバスが芝生のあいだを縫うようにぐるりと回るのである。その時の光景、感覚をいまだに執拗に覚えており、その上それが夢のなかでシュルレアリスティックに変化し続けるのは恐らく私だけであろう。
市川から蔵前橋を車で通る際、ユーズドカーの看板が襲いかかるように目のなかへ飛び込んできたのも、私の内部風景の基礎になった。キングコングだったり、擬人化された虎だったのが、谷津遊園地で見た魔人のイメージと重なって夢のなかに現れるのである。
かつて見てきたものが、今まで見たことがないようなシチュエーションとなって現出する。

それで、出だしの一文を書いてみた。

この道は今までに一度も通ったことがない。しかし、今までに一度たりと頭のなかを離れたことがない・・・

ジェイムズ・ジョイスが若くしてアイルランドを離れ、晩年に記者に故郷について聞かれた時、「私は一度でもあそこを離れたことがあっただろうか」と言ったことにつながる、感傷を超越した憧憬についても私は追求したい。

たいてい夢のなかではいつも遭遇する風景があるはずである。夢ではおなじみの場所。しかし、あなたは一度もそこを訪れたことがないのだ。頭のなかでは常に思い描いていても、永遠にそこに足を踏み入れることは出来ない。そこは一体どこなのか。

夢のなかではうろうろしがちだが、私は夢の世界から出来るだけ多くの情報を持ち帰ることを常に心がけているので、見たこと、聞いたこと、知ったこと、感じたことをしっかりと記録して、この世で再構成して小説に書き表したい。

さらば地球よ、言葉は常に人類の先を行く。
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