ＴＰＰまとめ-20（やっと協議参加宣言・他

　ＴＰＰについての俗論とそれに対する反論その20。

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その18はhttp://mixi.jp/view_diary.pl?owner_id=2129235&id=1888306610
その19はhttp://mixi.jp/view_diary.pl?id=1893316622&owner_id=2129235

　前回（その19↑）で予想した通りの経緯を経て、安倍総理がやっとＴＰＰ参加表明した。２年遅いっ！でも、しないよりは微かにマシ。協議参加が遅れれば遅れるほど、日本が不利になるのだから。

　それにしても、安倍ちゃんのＴＰＰ参加表明までの持っていき方。ズルイしセコイし悔しいけれど、上手かったよね（安倍・麻生の、あんな見え見えの猿芝居に騙され自民を支持した反ＴＰＰ派の一部がパーなんだけど）。

　この一連の経緯を見ても、支持率は力だと分かる。支持率があれば、不人気な政策を採っても（国民にも反対派議員にも）受け入れられる可能性が高まる。官僚も「この政権は長続きしそうだ... 指示が急変することはなさそう」と協力的になる（もしくは腰を落ち着けて仕事が出来る環境になる）し。他国政府も真面目に交渉に応じてくる可能性が高まるし。

　支持率よりも党内融和を優先したつもりでお馬鹿を閣僚に登用し、そのアホ人事のせいもあって支持率が落ち、そのためかえって党の分裂を加速させてしまった前首相は、この事態をどう見ているのでしょう。

　現政権って、経済回復しかけで政権交代したという幸運もあったけど。議員それぞれの実力も、自民の方が足腰がシッカリしていたような。

　民主党には地元をおろそかにしている議員さん、あるいは真逆に地元を重視しすぎそれに流されてしまっている議員さんが多くおられたように感じられた（後者は、多くは生活などに分かれたようですが、まだ残っている）。前者は、「角栄・小沢教」の正しい部分まで無視し、後者は「角栄・小沢教」の間違った部分まで盲信している。どちらにも困ったもの。


　それにしても、イイカゲン疲れました、この件。最後は茶番劇で決着するし。決まってしまえば、この土日の討論番組でも扱いは小さいし。あんなに大騒ぎしたのは何だったの？アホらしい。しばらくＴＰＰネタ日記はお休みしようかな...


　以下は個別のニュース。

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　２１日各紙夕刊。米通商代表のカーク氏、ＴＰＰ交渉前の例外は認めず、ただし、交渉の結果、例外が生じる可能性は排除しないと述べた。

→　ほらほら、安倍の参加宣言が近い。




　２３日。朝テレビ各番組。安倍ちゃん記者会見。アメリカから曖昧なコメントを貰い「聖域があることが分かりましたぁ！」

　また、２３日各紙夕刊では。日米首脳会談、共同声明が出る。これまでの米国主張をなぞっているが、「聖域は無いことはない」と読める、いわば玉虫色のもの。交渉前の声明は極めて異例。これをもって政府はＴＰＰ交渉参加に舵を切ると予想される。米議会の承認が必要なので、交渉参加は今夏か。

→　ここまでは、ほぼ予想通り。これで帰国後調整し、党の反対派にパフォーマンスさせた後、ＴＰＰ協議参加を宣言すれば１００％予想通り。時期だけ、参院選の後になってしまうのでは？と危惧していたけど。

　にしても。共同宣言では「全てのものを交渉のテーブルに載せる」とも言っており、要するに以前からナニも変わっていない（だからＪＡは相変わらず反対している）。それで交渉参加に舵を切ろうと言うんだから、茶番そのもの。こゆ茶番劇に騙されたフリをしてトップの決定に従う、自民党議員の国益第一な姿勢は見習うべきでしょ→民主党系（民主＋生活＋みどり）の政治家さん達。




　２４日各紙。日米首脳会談続報。背景として、アメリカは、自動車や砂糖の例外扱い希望しているからこと、日本にはかんぽ拡大阻止や自動車の非関税障壁撤廃などを要求していることがある。

　会談で、安倍首相はシェールガス輸出を要請し、オバマは前向き。

→　シェールガス輸出要請は評価出来る。でもＴＰＰに参加するなら、比較的当然。ＦＴＡ／ＥＰＡ締結国には輸出する、というのがアメリカの方針なのだから。




　２６日各紙。自民党役員会でＴＰＰ交渉参加是非を含めた判断の時期を首相に一任した。

→　自民党は大人。




　２６日毎日。日米政府、ＴＰＰ事前協議から自動車と保険を切り離すことで合意した。日本の早期参加を優先。

→　「聖域があることが分かりましたぁ」は茶番だけど、これは意味がある交渉結果。




　２７日各紙。自民の外交・経済連携調査会、ＴＰＰ協議参加を容認。

→　会の性格からして当然か。




　１日毎日。民主党の山口・元外務副大臣が国会で質問に立ち、米がＴＰＰ事前協議において、安全審査を除外し輸入出来る自動車の枠を要求していることを明らかにした。政府は拒否する意向。

→　公務員の守秘義務から言って、交渉内容を明らかにして良いのか？はなはだ疑問。

　それはさておき、米国はパーなの？要求を呑んでも、米国車がそんなに、ゴリ押しの意味があるほど売れるワケないっしょ。アメ車の個性が好きで、かつアメリカの基準や検査を信用する層にしか売れない。そう言う層は、とても少ないと思うけどねぇ。

　アメリカの貿易交渉って、「自分たちの好む商品が売れないなんて、絶対オカシイっ！相手がズルしてるに決まってるっ！」というスタンスでやることがあり、この件もそう。トンチンカン。いえ日本がオカシイケースもある（牛肉月齢制限など）けどさー。




　２日各紙。ＪＡを束ねる全中の会長が首相にＴＰＰ反対を申し入れ。首相はＴＰＰ協議参加方針に理解を求めた。

→　本気の反対なのか、補助金積み増しを求めたのか、どちらでしょう？




　３日東京。自民のＴＰＰ反対派は、公約本体ではなく、関税撤廃除外品目など落とし所まで明記してある「総合政策集」に載っている項目まで、選挙公約であり守れ、と主張。これに対し首相は「正確には公約ではない」と表明し、ズレが表面化。交渉参加に向け、フリーハンドを確保したい首相。

→　これについては安倍首相が正しい。「何を守る！」と予め言ってしまえば、交渉において、立場がドンドン弱くなる。




　５日毎日・産経・読売。ＴＰＰ第16回拡大会合が４日開始。日本の参加問題も主要な議題。




　５日朝日夕刊。政府は、ＴＰＰ交渉で米に譲歩し、米国が自動車輸入時にかけている関税撤廃に猶予を認める（関税の当面の維持を認める）方針を固めた。

　６日読売。米韓ＦＴＡでは、乗用車は５年、トラックは10年の関税撤廃猶予期間があった。ＴＰＰではこれと同等もしくはそれ以上の猶予が求められると思われる。

→　当面の猶予があるだけなら、ごく普通、当然のこと（他の項目も、大なり小なり猶予はある）。それが少し長くなる、という意味？それとも、これもまたアタリマエのことを言ってるだけ？内容次第で変わるよね、この記事の意味。


　１５日東京。ＴＰＰ日米事前協議、米国がかけている自動車の関税、乗用車2.5％を５年超（米韓FTAでは５年）、トラック25％を10年超（米韓FTAでは10年）、それぞれ残すことで大筋同意。

→　東京の独自記事。たぶん米韓と同程度の猶予期間で落ち着くのでは。




　７日東京。2011年11月に参加表明したカナダとメキシコは、TPP既交渉参加９ヵ国から「交渉を打ち切る権利は９カ国のみにある」「既合意済み条文は原則受け入れ、再交渉は要求出来ない」との条件を承諾させられていた。

→　そう、だから交渉参加が遅れれば、どんどん不利になるワケで。既に合意なっているもののなかに深刻に拙い条文があったら一括して反対する（国会で批准しないなど）しかなくなるから。

　てか、こんなのこの手の交渉ゴトの基本なのに、なんで東京新聞は鬼の首を取ったように今さら１面で扱うの？




　１１日朝日。台湾はＴＰＰ参加希望を正式に表明し、米へ伝達した。




　１２日夜のニュース。自民党ＴＰＰ部会で、尾辻元参院議員（次は鹿児島で立候補予定）と西川委員長が怒鳴り合い。

→　反対するフリのパフォーマンスであることが見え見え。自民は猿芝居が上手。馬鹿馬鹿しいけど、でも、こゆのを見て「ウチの先生は頑張ってくれた！」と満足する有権者がけっこう居るんだよねぇ...




　１３日朝日・読売。首相は、ＴＰＰ交渉参加を15日に表明する方針を固めた。そんな中、ＪＡ全中は反対集会を開き、自民の石破幹事長は「米、乳製品、砂糖、牛肉などは必ず死守する」と述べた。

→　守りたい物を予め提示すると、交渉力がドンドン弱くなる。しかも守れなかった場合、石破の責任問題にもなりかねない。ほぼ参院選のことしか考えていない発言で、石破は無責任。

　にしても、なんで「15日に」と分かるの？官邸からのリークとしか思えず。




　１４日各紙。自民党は、ＴＰＰ交渉参加をめぐる対策委員会を開き、２時間の議論後、守るべき品目や制度などを提示した上、あっさりと交渉参加を事実上容認した。

　１４日読売によれば、甘利氏がＴＰＰ担当相となる方向。

→　悪く言えば茶番劇、よく言えば自民党は大人の政党。




　１５日産経。ＴＰＰ交渉参加、自民党内のキーマンは２人。一人は筋金入りの農水族である江藤拓農水副大臣。彼は、首相から「もう新たな局面に入ったんだ」と言われ趣旨を察した。日米首脳会談で関税撤廃の例外を確認したのだから、例外品目を交渉で勝ち取る条件闘争に局面は移ったのだと。江藤氏は農水族やＪＡへの根回しという「密命」を受け入れた。

　もう一人はＴＰＰ対策委員長に起用した西川公也衆院議員。

→　江藤副大臣の言動をみると、いかにハッタリとポーズで反対していたか、が良く分かる。ＴＰＰ反対派（外見だけ）議員の言うことを真に受けて、私に絡んできていたアホの子達は、ちょっとは反省して欲しい。




　１６日読売。ＴＰＰは国論を二分するやっかいな問題だと見ていた麻生副総理は、昨年１２月の選挙中、「ＴＰＰをやってくれ、あなたの最後の仕事だ」と野田総理（当時）に要請していた。「やったら支持してくれますか？」と問う野田総理に対し、麻生「批判するに決まってるだろ、選挙中だし」と答えたため、野田は踏み切らず。

→　ＴＰＰは必要だけど、嫌われるからやりたくないと思っていた麻生。ズルイ（苦笑）。で、その麻生ら自民に騙され、彼らを支持したＴＰＰ反対派の阿呆達。




　１５日夜のニュース。安倍首相、午前に自民党内、午後に山口・公明党代表に伝達し理解を求めた後、夕方、ＴＰＰ協議参加を正式に表明。

→　やっと表明した。。。長かった。２年遅いよっ！