私は子供のうちに数々のトラウマになるマンガを読んできて、ごらんのような大人になったので、私のようにひねくれていても、タフな人間に育てようと、犬神チルドレンの親御さんたちは犬神図書館でそれがたとえ大人向けの劇画であっても読ませようとする。
子供のうちにトラウマを得ることは大いに結構。
しかし、無理に劇画を読ませなくても、子供たちの目は自然に強烈な作品を引き寄せる。
藤子不二雄先生の「ミノタウロスの皿」も私の世代から子供たちの心を深くえぐった名作だ。
ある親御さんは「ドラえもん」の作者だからと安心して読ませたら、こんな作品だとは思わなかった、発禁処分にすべきだと騒いだそうである。
そういう親御さんたちの意向に沿って、安心出来る作品ばかり読んできた子供たちがどんな風に育つのか。感情的に起伏の少ない、無味乾燥な子供しか育たないであろう。実際、そんな目隠しをされる子供と目隠しをする親御さんと向き合ったことがあるが、実に気味の悪い親子であった。
素直に悲鳴をあげられる、涙出来る、気持ち悪がることが出来るうちはほんとうに幸福なことなのだ。
感動するということの意味を今一度見直すために、まず「ミノタウロスの皿」を。
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