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2012年03月16日19:53

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映画「マンク〜破戒僧〜」を観よう。

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http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=341889



正直言って、「マンク」が映画化されたのは意外であった。
例えるなら、ホレス・ウォルポールの「オトラント城奇譚」がディズニー制作で映画化されるようなものである。
ワカリにくくて申し訳ないが、要するに、仰々しくって読むのに一苦労する作品がなぜ今になって世に問われなければならないのか、ということだ。
私は東京創元社の上下巻揃で持っているが、坊さんが独りよがりで悶え回っている様に、嫌気がさして二回読んで本棚に何年も眠って、今は段ボールに詰められて貸しコンテナにひっそりと閉じ込められている。
世間はあれを発禁本などと持ち上げているけれども、私は横を向いて低く笑うであろう。
あれくらいで騒ぎ立てるならば、ジョリス=カルル・ユイスマンスの「彼方」は文字通り読者の目を潰してしまうだろう。
でも。
著者のマシュー・グレゴリー・ルイスは、あのサドと同時代を生きた作家である。即ち、モラルとインモラルが激しく、かつ優美に交錯した感覚が大いに花咲いた時代で、バッハ、モーツァルト、ベートーベンが感情を音楽にこめるのと同じように、ルイスも「マンク」を書いたのである。
自分のインモラルな部分と真っ正面から向き合う。
それが当時、どれほど難しかったことか。
それゆえにいたずらに発禁と騒いで、期待してもしょうがないわけで、「マンク」がどれほどヒドイのかとワクワクしながら読んでもガッカリするだけだ。

私は18世紀の感覚を読み知る、歴史的な作品のひとつと評価するけれども、今読む必要があるかどうかは疑問に思う。

主演がヴァンサン・カッセル。カッセル本人がこの本の愛読者だとしたら、ひそかに微笑んでしまうが、予告編を観るとかなりの熱の入りようだ。そこに興味を感じたので、渋谷に行って観てこようと思う。
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