前回の密室少女には、乱歩が好んだ窃視症が多分に入っているけれども、ズバリ申し上げて、覗きが嫌いな人は老若男女を問わず存在しない。
人の性(さが)というやつで、覗き見るという行為そのものを合法的に、しかも商売として最大限に活かしたのが、のぞきからくりであった。
http://iroha-japan.net/iroha/C04_vaudeville/09_nozokikarakuri.html
祖父はこれが大好きで、実に嬉しそうに日記に今回は何々を観た、面白かったと書き綴っているのだが、新興の見世物「地獄極楽巡り」がたった一日で潰れたことを報告しているのが興味深い。
これはからくり職人の技術を凝らした一大傑作という触れ込みで、地獄と極楽を巡り歩く内容になっているそうで、祖父は一度も見ずじまいだったのである。というのは、最初の客が恐怖のあまり死んでしまったというので、警察の手入れがあり、それっきり店じまいになったのだそうである。
現在では、恐怖のあまり死んだ場合、果たして殺人罪が適用されるかどうか、非常に興味深いところではあるが、祖父は現実と非現実の区別がつけられないまま、のぞくからくりの世界に没頭した結果であろうと断じている。
昔の技術にかかわらず、のぞきからくりの世界というのは、上にあげた動画をご覧になっても、奇妙に神経に作用する何かを感じる。この感覚は一体何であろうか。
ひとつ考えてみるのも一興だと思う。
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