犬神博士のお気軽相談室　「新しいヒロシマもの」

Q. ヒロシマ、ナガサキの原爆について何か新しいものを書きたいのですが、これはというネタはありますか?



ジェラルド・カーシュが書いた「ブライトンの怪物」はヒロシマをネタにした奇想短編小説でしたけれど、これは読み知ってるからそう言えるのであって、自分で貪欲に読み漁るのがイチバンの近道ですね。書くのは結局、あなたなんですから。

でもまあ、クロード・イーザリーという人物(上の画像)について書いてみるのもいいかも知れません。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%89%E3%83%BB%E3%82%A4%E3%83%BC%E3%82%B6%E3%83%AA%E3%83%BC

J・G・バラードの創作メモに、精神病院に入院中のイーザリーに軍が試みたショック療法がありましたけれど、罪悪感をさらなる残虐性と野心で打ち消し、上塗りするというイメージ展開が現代社会の情報操作にも通じるのではないかと。

バラードは亡くなっておりますから、彼に代わって挑戦してみてはいかがでしょうか。

新しいもの、それは即ち、原爆を落とされた側としての怨み、哀しみとは違った角度からの切り込みですから、ありとあらゆる感情抜きで冷徹に書くのがベストでしょうね。