私がアルフォンス・井上を知ったのは、中学一年の時であった。
お小遣いをためて買った、生田耕作率いる“奢灞都館(サバト館)”から発行されたマンディアルグ著「満潮」の挿絵を担当していたのである。
バイロスを思わせるエロティシズム、クノップフを思わせる幻想的雰囲気に一目惚れして、少年時代の精神的な精液はほとんど彼の銅板画に搾り取られたものだ。
奢灞都館関連の書籍はずっと手元になかったので借りパクされたかなと思い込んでいたのだが、例の聖域からどっさり発掘されたので、アンドレ・マッソンなど合わせて犬神図書館の本棚に暗黒のエロティシズム特集と銘打って並べてみようかなと考えている。
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