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2011年02月20日21:39

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コラボ

加藤健一事務所の公演「コラボレーション」を観てまいりました
会場はいつもの本多劇場ではなく紀伊国屋ホールでした

演出が畏友鵜山仁君であったというほかに、今回の
台本はR・シュトラウスとS・ツヴァイクという実在の
芸術家がオペラ「無口な女」を作り上げる「コラボレーション」を
題材にしている、ということでも見逃せない舞台です

シュトラウスがそれまでのオペラ作りのパートナー
ホーフマンスタールを突然の死で失ったところから物語が始まります

今回の舞台を鑑賞するのに先立って、事前学習として中公新書の
「シュテファン・ツヴァイク」を読みましたが、非常にわかりにくい
文章(河原忠彦著)で苦労しました
しかも無口な女に関する記述は非常に少ない
でもまぁ予備知識としては役立ちました

シュトラウスという作曲家は政治に対して無節操であった、というのが
言いすぎならば無頓着といえると思いますが
それもある意味芸術至上主義であり、また家族を守る(息子の嫁が
ユダヤ人)のっぴきならない事情があったということで
今回の戯曲はシュトラウス擁護の立場に立っています

同時に悪妻の誉れ高い妻パウリーネも夫シュトラウスを守る
女傑として描かれています
パウリーネ役を演じた塩田朋子は、これまでも姉御肌、鉄火肌の
女性を演じてきたので、今回はまさにはまり役
彼女は加藤健一事務所ではなく文学座の所属ですが
多分鵜山君が配役したのだと思います

コラボレーションは作家と作曲家の共同作業という意味でしょうが
フランス語でコラボとは対独協力を意味し、「裏切り者」の
イメージがあるそうです

戯曲の幕切れはナチス協力者として裁かれるシュトラウスの
反論の言葉が苦渋に満ちて語られ、バックには彼の最後の作品
「四つの最後の歌」から「夕映えに」が感動的に流れ
シュトラウス協会の維持会員であるワタシをほっとさせました

脚本は映画「戦場のピアニスト」の脚色者でもある英国の
ロナルド・ハーウッドで、彼自身もユダヤ人です
(言い忘れましたが、シュテファン・ツヴァイクはユダヤ人でした)
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