映画「半次郎」が観たい。

ただ今、おヒルを熱中させているのは、ボイスでもつぶやいた西郷隆盛。
馨に影響されて、歴女的BL小説を書くことになり、何かイイ題材はないかとイロイロな人と話して、檀家のおばあちゃんが私の体格を評して「上野の西郷さんみたい」というのに興味を持ち、わざわざ上野公園に出向いて西郷像をとっくりと眺めてきた。

「確かに似てる!!」とおヒル。
「そうかい、西郷隆盛はなんでまたあんな格好で上野公園に立ってるか分かるかい?他は軍服、鎧兜なのに、西郷さんだけがああいう格好なのか?」と私。
「何でなんでしょう」
「そいつから調べてごらん、そうすりゃ、男の肉体の神秘性に一歩近づけるだろうよ」

それで、ありとあらゆる西郷隆盛伝、西南戦争史、幕末史を呑み込んでいる最中である。ドイツ人らしい几帳面さでいちいちノートに記し、今日は里見浩太郎主演の「田原坂」を観た。私は昭和天皇の危篤のためブツ切りでしか観られなかったので、今回ちゃんと最初から最後まで一緒に観たのだがもう号泣してしまった。



そして。

去年公開された映画「半次郎」。
「桜田門外の変」に目がいって、すっかり見逃してしまったのだが、これはDVDを待たなければいけない。



http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=337509



http://hanjiro-movie.com/

観たい、観たすぎる!!

さらに。祖父は「田原坂」をよく歌っていたので、私もすっかり覚えてしまった。


雨は降る降る　じんばは濡れる　
越すに越されぬ　田原坂（たばるざか）
右手（めて）に血刀　左手（ゆんで）に手綱
馬上ゆたかな　美少年

山にしかばね　川に血流る　
肥薩(ひさつ)の天地　秋寂し
草をしとねに　夢やいづこ
明けのみ空に　日の御旗(みはた)

西郷隆盛　話せる男　
國の爲なら　死ねといふた
田原坂なら　昔が戀（恋）し　
男同士の　夢の跡

春はさくらよ　秋なら紅葉
夢も田原の　草枕
泣いてくれるな　愛しの駒よ　
今宵しのぶは　戀ぢやない

阿蘇の御神火　心に抱いて　
九州男兒（児）の　血は熱い
退くに退かれぬ　田原の嶮は　
男涙の　小夜嵐




こういうのをBLに持っていくのは、私もちょっと拒絶感を覚えてしまうのだが、私自身、全くBLらしからぬ少年愛を書いてるので、おヒル自身の男の肉体の神秘性への憧憬を前面に押し出せと鼓舞している。

三島由紀夫も神風連の乱で何かを感じた。何かを感じるままに、西郷隆盛の巨躯に秘められたものを追求していけば、ほんとうの意味での男の色気が描かれることだろう。