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2010年11月07日21:42

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夜回り先生・水谷修さん講演「今、子どもたちは・・・」その1

丸の内で行われた水谷先生の「今、子どもたちは・・・」と
題した講演会に行ってきました。その概要です。
曖昧な記憶をもとに書いているので、間違っている点、
抜けている点があれば遠慮なく、突っ込んでください。

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水谷「54になりました。
   私が書いた本『さよならが言えなくて』がドラマになりました。
   僕が関わった、18歳の女子高生の薬物との闘いを描いています。
   今、薬物は中高生の間にまで広がっています。
   このドラマの制作費は1億円。国から援助を頂きました。
   普通のドラマは3〜4千万円程度。龍馬伝は1時間1億5千万程度です。

   私は皆さんと住む世界が違います。皆さんは明るい太陽のもとで
   クラス昼間の世界の人たち。私は夜の世界の人間。
   私は19年前、35歳の時から夜の世界と関わっています。

   19年前、全国最大の定時制高校、横浜市立港高校に転任しました。
   当時そこは俗に、横浜市立暴力団養成所と呼ばれていました。
   シンナーを吸う生徒はいる、暴走族はいる、警察に捕まる生徒はいる、
   荒れ放題で、その時から夜回りを始めたのでした。

   今は、金曜と土曜の夜、訪れた土地で夜回りをしています。
   夜回りの開始は夜の11時から。
   法律で18歳未満は保護者の同伴なしに夜11時から翌朝4時までは
   街に出歩いてはいけないのです。
   夜回りで、街でたむろする子供をみかけては、家に帰るように声をかけ、
   子供に害を及ぼすエッチなビラ等があれば、はがして警察に通報する。

   子供が帰りたくなさそうにしていると『心配しているお母さんの事を思え』
   と説得する。それでも駄目な場合は、彼ら彼女らに名刺を渡し、
   『どうしても帰りたくないのなら、この名刺を持って、角のファミレスに
   行きなさい。店長さんと警察には話しはつけてある。私は何人か
   君たちのような若者が集まれば、ファミレスに行って話しを聞いてあげる』
   と行っている。

   夜回りで、薬物の売人がいれば、その前に立つようにしている。
   そうすると薬物は売れなくなる。売人は、私には手を出せない。
   私はある意味、おとり。後ろには警察官がいる事を彼らは知っているから。

   昼の世界に住むみなさん、1日1回や、木々の緑などの美しいものに
   接してください。そうすればその日1日、心が優しくなります。

   私は日々、夜回りや、子供たちから送られてくるメールに答えたり、
   電話で相談にのったりして、それらに1日のほとんどを費やしている。
   だが、朝1時間だけ散歩をするようにしている。
   夜の世界は、人間の目つきを変え、体や精神を悪いように変えてしまう。
   散歩をする事により、昼の世界の優しさを取り戻すようにしています。

   ここで10代から20代の人に質問します。渋谷や新宿の歌舞伎町など
   夜のネオン街を見て綺麗だと思った事がある人。

   (かなりの人が手を上げる)

   今、手を上げた人、その夜の街を、土曜や日曜の朝に訪れてみてください。
   街中、至るところ張りぼてばかり、クモの巣だらけ、ネオンに隠れて
   いた薄汚いものが目に飛び込んできます。
   夜あんなに輝いていた街が、実はゴミだらけだったのです。

   夜の世界は嘘の世界、ダマシの世界。
   特に女の子。黒髪で、眉毛がちゃんとあって、清楚な服を着て
   手を大きく振って歩いていれば声はかけられませんが、
   
   髪を染めて、眉毛を剃って、ミニスカートをはいて
   夜、新宿の紀伊国屋書店前や歌舞伎町にいると、怪しい男に
   声をかけられます。
   そんな男たちの甘い言葉に誘われると、やがてモーテルにつれこまれ
   裸にされ、写真をとられ、『これを売ったり、ネットに流したりするぞ。
   そうされたくなかったら言う事を聞け』と言われ、怪しいビデオに
   出されたり、売春をさせられたりする。

   私が夜の世界に入る前、昼間の世界にいた頃は金沢高校というところで
   教員をしていた。その時の教え子は、今6割教員になっている。
   彼らは決まっていう。
   「先生にはだまされた。先生があまりに楽しく授業をしているから
   教師は面白いんだと思って教師になったら、そうじゃなかった」と。
   そんな彼らに私は言う『学校や授業を面白くするのは教師しだい、教師の
   心の持ち方しだいだ』と。

   夜の世界に入ったきっかけは今から20年前の事。
   東京の大森で夜間高校の教師をしていた親友から、
   『教師を辞めるかもしれない』との切羽詰った電話があった。
   私は、これは大変だと思い、彼の話を聞くため、会う事にした。
   彼は言った『腐った子供に教育をさせて何になるんだ』と。

   今の定時制高校の名誉のために言っておくが、今は
   イジメや差別で学校に行けなかった子供や、
   日本の教育を受けたくても受ける事がなかなかできない
   外国人の子供などが学んでいて、これが夜間定時制高校の
   本来の役割に近い形で教育が行われている。

   しかし、私が夜間高校の教員になった時は違った。
   『腐った子供に教育をさせて何になるんだ』と言った友に言った。
   『子供は生まれた頃は全て純心。みんな、親から愛されるため、
   幸せにされるために生まれてきた。だが、親や大人から見離され、
   社会から弾き飛ばされるために、子供の心が歪んでいくんだ。
   悪いのは子供じゃない。大人や社会なんだ。
   無垢な赤ちゃんが、始めから、大人を困らせてやろう、
   親や先生に迷惑をかけてやろう、と思って生まれてくるはずがない。
   それが分からない君は教師を辞めた方が良い』と。

   彼はそれからすぐに教師を辞めた。
   私は、彼の言葉に影響を受けて、自分が何とかしないとと思い、
   校長に無理を言って、夜間の定時制高校に転任させてもらった。

(続く予定です。ここまでで約5分の1が終わりました)


  

   
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