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「公園はおれのもの」 スティーヴン・ピータース 角川書店
ベトナム戦争ものといえば、「地獄の黙示録」、「ディア・ハンター」、「プラトーン」、「ランボー」などなど出てくるのだが、そのなかでも異色中の異色なのが、スティーヴン・ピータースの「公園はおれのもの」だ。
ベトナム帰還兵といえばジャングル戦がつきものなのだが、本書ではニューヨークのセントラル・パークが“戦場”になる。
「ニューヨーク・コマンドー」という仰々しい邦題でビデオ化されているが、原作が邦訳されたのがその後なので、原作派の私としては残念ながら映像作品を先に観てしまった唯一の汚点だ。
都会が戦場になるパターンでは、ロバート・ギンティ主演の「エクスタミネーター」が思い浮かぶが、トミー・リー・ジョーンズの哀愁を帯びた眼差しが語るように、原作者のスティーヴン・ピータースはセントラル・パークを選んだ最大の理由、もっと深い悲しみについて活写している。
この悲しみにいかに感情移入出来、そしていかに客観的に評価出来るか。少年少女が抱える孤独感を乗り越えるために、本書は大いに役立つことであろう。
ちなみに。
我が国におけるベトナム戦争ものの小説で最高峰に位置するのは、開高健の「輝ける闇」(新潮文庫)である。こちらは日本人の視点でベトナム戦争そのものの生命力を鮮やかに、不気味に描き切った、現代文学の名作だ。合わせてオススメ!!
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