旧ソ連の映画監督エレム・クリモフは「炎628」のあまりの衝撃ぶりゆえに、それだけしか撮っていないかのように知られているのだが、実は旧ソ連仕込みの映画芸術のすべてを注ぎ込んで作り上げた史劇が存在する。
「ロマノフ王朝の最期」である。
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=25822
私はやはり浪人時代に観て、胡散臭さの権化として描かれるラスプーチンを等身大に眺めることが出来て、かなり満足したことをよく覚えている。
高校時代の友人も同行して観たのだが、彼の感想は毒入りケーキを食べても死なないシーンにばかりいって、ラスプーチンの不死身ぶりに驚いていた。
私はすでに澁澤龍彦先生の著作で知っていたので、うん、すごかったねと生返事をして、クリモフ監督の旧ソ連的な、教科書に忠実な撮り方に一種の古典的なものを感じていた。
そこがまたよかったわけだが、クリモフ監督は旧ソ連において最大のタブーとされるラスプーチンを題材にしただけにかなり苦労したようだ。
そのへんは特典に収録されているインタビューに詳しい。
それゆえに。
ストレス発散も兼ねて、あんなにむごたらしい「炎628」を撮ったのだろうと推測する。
それはそれでまたもや旧ソ連で問題扱いされたわけだが、そういう監督なのであろう。
それにしてもラスプーチン役のアレクセイ・ペトレンコの怪演はほんとうに素晴らしい。
冒頭の、姿は見えないけれど、電話の声だけでゾクゾクさせてくれるのは一見の価値がありすぎる。
こちらも観たい方はメッセージを。
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