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去年から親戚の寿司店が伊豆のホテルに職人を派遣している縁で、お中元に二回目のわさび酒が届いた。
去年はすこぶる体調が悪かったので飲めなかったのだが、最近の私はガンガン飲めるようになってきたので、早速冷蔵庫でキンキンに冷やして、血のしたたるような生レバーにおろししょうがを乗せたのを肴にグイッと飲んだ。
鼻孔に広がるわさびの香り、薬味で包まれた血みどろのものが食道に吸い込まれた後を洗い、口を通り抜ける爽やかな緑色の涼感・・・
コレは美味い!!!!!
今日のような蒸し暑い日に飲むのに最高!!
そして。
私が犬神憑きの民間信仰の取材で高知に滞在していた時のことを思い出した。
ここでは死ぬほど、気が狂うほど飲まされて鍛えられたものだが、同時に絶対真似したくない飲み方も教わった。
お世話になった物部村の祈祷師のNさんは、様々な毒草を焼酎に漬けたのをジンの代用品として、日本酒や焼酎と合わせて“ハガセ・スペシャルカクテル”と称してふるまっていた。
註)ハガセとは、博士のことで、祈祷師のことである。私のHNもここからきている。
毒草にはちょっと詳しい方なので、いちいちこれは何ですかと聞きながら飲んでいたのだが、ハシリドコロだと言われた時はほんとうに毒殺されたような心持ちになったものだ。
カンフル剤を一リットル、一気に注射されたような、バン!!と脳をブッ叩かれるような感触がして、一気に泥酔一歩手前まできてしまった。
ごく少量を漬けただけやき、死にはせん、安心せいとか言われて、もっとおとなしい飲み方はないんですかと聞いたら、わさびじゃなという答え。
どうやって飲むのかなと見守っていると、おちょこの底にすりおろしたてのわさびをこんもり盛って、そこへ酒をなみなみと注いでぐいっと飲んでいた。
「カーッ、このツーンときよるのがたまらんわい」とNさん。
今回のわさび酒はあんなに獰猛なものではないけれど、飲んでいると、心身ともに寒くなってしまった飲み方を思い出してニヤッとしてしまうのである。
生レバーだけでなく、わさびだけに、刺身も肴としてオススメ!!
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